実践!社長の財務
経営安全率を高めるには?【実践!社長の財務】第272号
2009.01.19
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
消費税増税の方針を、税制改正関連法案の付則に記載するかどうかで、ずい分もめていますね。与党は記載する方針になったとのことですが、まだまだ、法案が通るかどうかはわかりません。
消費税増税はいずれは必要かと思いますが、景気の動向に応じて判断するということであれば、財源としては書いておいてもいいのかと思います。
それよりも、所得税の最高税率を上げる、というような中期方針も出ていました。私はそれの方がどうか? と思っています。
せっかく最高税率が下がってきて、高額所得者の不満も解消されてきたところですが、ここでまた上げるとなると、彼らのモチベーションがまた下がってしまうのではないかと、そちらの方が、経済成長率に影響があるのではないかと思ってしまいますが...
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
経営安全率を高めるには?
先週、経営安全率を高めていくことが、不況抵抗力をつける一番の指標になる、というような話をしました、
経営安全率とは、経常利益/粗利益 の式で表されます。
先週の例を、再度、掲げておきます。
・粗利益 100
・固定費
人件費 50
経 費 35
固定費計 85
─────────
経常利益 15
経営安全率 = 経常利益/粗利益 = 15%
この経営安全率の目標は、上記のとおり、15%以上です。15%以上あれば、3割・4割の売上減に耐えていくことができます。(先週説明したとおり)
では、それを目指すためにには、どのようにしたらよいのでしょうか?
上記の数字だけ見れば、単純ですね。
固定費を、粗利の85%以内に納めればいいのです。
固定費の中には、大きく分けて、人件費と経費があります。
それぞれについて、粗利の何%で納められるか、まずはこれを考えてみます。
粗利に対する人件費の割合は、労働分配率といいます。これは通常は、40%~60%と言われています。
しかし、業種・ビジネスモデル・経営方針などによって、分配率は変わってきます。
自社のやり方からすると、分配率は何%にするのか、なるのか、まずは、それを考えておくことです。
そして、残った範囲内の経費で事業が回っていくよう、最大限の努力、創意工夫をしていくことです。
結果として、経営安全率が何%になった、というのではなく、ある程度、意図して経営安全率を残せる「収支モデル」を作っていくことが大事ではないかと思います。
もちろん、15%は大変高い数字なので、思ったような数字にはできないかも知れません。
最初は5%でも、8%でもいいと思います。
大事なのは、大括りで、粗利を稼ぐための経費がどのように使われているか、それを知ることです。
そして、経営安全率の高い会社にするためには、人件費はどの位、経費はどの位に納めなければならないのか、それを知ることです。
また、人件費・経費が最低限これだけは必要だ、と言うのであれば、それに見合う粗利益はいくらなのか、それを知ることです。
これらの数字を知った上で、その数字に近づけていくための最大限の努力をしていく、ことです。
数字を知らなければ、そこまでの努力はできないのではないかと思います。
まずは、自社の数字を知ることが、大事なことですね。
編集後記
昨日は、久しぶりに見たテレビの全日本卓球に見入ってしまいました。
面白かったですね。女子の決勝など、ものすごく長いラリーが何度もあってスリル満点でしたね。また、その後に見た男子、これは女子とまた趣が違って、ものすごいスピード感、よくあれだけの速さについていけると感心しました。若手が台頭してきているし、日本の卓球、結構いい線にいくのではないか、と思いましたね。
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