実践!社長の財務
ステップ2:B/Sを改革する【実践!社長の財務】第277号
2009.02.23
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は時間がないので、早速、本文に入ります。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
ステップ2:B/Sを改革する
ひと言で「B/Sを改革する」などと言っていますが、これは一筋縄ではいかないです。
(B/S=貸借対照表)
しかし、高収益企業に脱皮していくためには、まずは、どのようなB/Sを目指すのか、これを明らかにしていかないといけません。
高収益だからP/L(損益計算書)を良くすることかと思うでしょうが、最終目標とすべきはB/Sの姿です。
つぶれにくく、未来に渡って継続していける会社を作るには、どのようなB/Sにしなければいけないのか、それをまずは考えることです。
そのためには、B/Sを筋肉質にすることです。
まずは、ダブついた脂肪をそぎ落とすことです。
資産には上がっているが、既にないもの、あっても価値のないもの、回収できないもの、時価が極端に下がっているもの、これらのものを落とすことです。
落とし方はいろいろあると思うので、それは各社で考えてください。税務上は落ちないものもあるかも知れません。しかし、税務よりもいつも見ているB/Sの方が大事です。
税務で落ちないものは、税務申告書で調整(否認)すればいいのです。
いつも見るB/Sは、スッキリしたものにすべきです。
それによって、経営者の考え方が左右される位、重要なのですから。
そして、次には、既に発生している負債を、全部計上することです。
負債があるのに、B/Sに乗っかっていなかったら、経営者は勘違いしてしまいます。うちはこんなに純資産があるんだと...
仕入れに対する買掛金はもちろん、月末までに発生したあらゆる未払金、未払費用。月次決算などでは、年に数回しか支払わないが、既に発生しているもの、賞与とか、年払い保険料とか保守料とか、そのような費用も負債として計上していきます。
そして、将来退職金を払うのであれば、その引当もしておかなければいけません。役員に対する退職金なども、既に時の経過と共に発生しているのであれば、引当金に計上します。
資産からは落とすものをすべて落とす、負債には計上すべきものをすべて計上する。このようにして初めて、本当の純資産が把握でき、本当の自己資本比率が計算できるのです。
これをしないで出している自己資本比率は、見せかけの自己資本比率に過ぎません。
そんなものを見て、喜んでいるようでは、あとでショックを受けますよ。
これ以下はない、という最低の数字を見ておく必要があります。
そして、その最低の数字を上げていくことこそが、本当に強い企業を作っていくことができるのです。
是非、チャレンジしてみてください。
編集後記
先週、当社が主催している東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部(TMBC)という会で、日能研の小嶋理事長の講演会をやりました。
あの「シカクいアタマをマルくする」の日能研です。
故高木先生とともに、一代で全国規模の進学塾を作った創業者、60代後半とは思えないほど、アツく、パワフルな方でした。いろいろなこと、勉強になりました。
一番印象に残っているのは、「もっと、自分のビジネスを勉強しろよ!今やっているすべてを見直せ。お客さんにどうしたら喜んでもらえるか、と」
興味のある方、今週水曜日夕方以降、講演内容が下記サイトに掲載されますので、よろしかったら見てください。
●TMBC例会報告 → http://www.tmbc.co.jp/report/report.html
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