実践!社長の財務
赤字決算の効用【実践!社長の財務】第288号
2009.05.11
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
GWも完全に終わり、3月決算の追い込みになってきましたね。
それにしても、3月に決算が集中する傾向は強まっているように思いますが、社会的な機能としてはあまりいいとは思えないですね。
(特に会計業界としては...)
変な横並び意識は、やめてほしいものです。
ということで、今日も「実践!社長の財務」いってみたいと思います。
赤字決算の効用
昨日は、ある雑誌の原稿で、赤字決算について書いていました。
そのエッセンスを一部紹介しようかと思います。
未上場の中小企業、オーナー企業の場合、なかなか赤字決算にはしたがらないものです。
ましてや、債務超過に陥る状況になるのであれば、なおさらそれは避けようとします。
もちろん、決算までの残り数ヶ月で業績を上げたり、遊休資産などを売却して最終赤字の転落を避ける、そういう赤字回避ができるのであれば、問題はありません。
問題なのは、既に実質赤字が確定してしまっているのに、赤字決算にしたがらない場合です。
いわゆる会計操作、粉飾などによって黒字決算にすることですね。
多くの場合は、銀行借入ができなくなるから、などの理由ですが、
経営者の変なプライド、赤字にしたらみっともない、カッコ悪い、という見栄が、赤字決算を許容しないケースが多いようにも思います。
会社が赤字になりそうになったら、どうするのか?
まずは、真っ当な方法で赤字回避ができるのであれば、それは最大限の努力をすべきでしょう。
それでも赤字が避けられないのであれば、覚悟を決めて赤字決算をすることです。当たり前のことではありますが...
会社は、赤字になったからといって、つぶれるわけではありません。
資金不足が解消されなくなった時に、つぶれてしまうのです。
したがって、赤字決算うんぬんよりも、資金不足をおこさないこと、資金を確保する方法を十分に考えて、実行すること、
こちらの方が、よほど重要なのです。
そして、赤字決算をする覚悟を決めると同時に、
「翌期は絶対に黒字にする!」という覚悟も決めるべきです。
どうせ赤字決算をするのであれば、これを良い機会として、膿を全部出してしまうのです。
バランスシートを見直して、ダブついたものをきれいにしてしまうのです。翌期以降、利益が出やすいように...
これが赤字決算の最大の効用だと思います。
赤字というピンチを乗り越えようと、社員の気持ちも揃いやすくなります。
そして、翌期のV字回復を目指すのです。
赤字決算は、V字回復をするためにやるといっても過言ではないでしょう。
赤字決算を機に、会社の内容を良くする!
そうなってこそ初めて、本物の赤字決算? と言えるのではないでしょうか?
編集後記
土日、持病の痛風が出そうに足がムズムズしてきたので、とにかく水をたくさん飲みました。1日4リットルくらい・・・そしたら、何とか引いてきたみたいですね...変な話ですみません...
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