実践!社長の財務
しくみ作りは、2つの観点から【実践!社長の財務】第311号
2009.10.19
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
9月からダイレクト納付、というのが始まっています。
所得税の振替納税のように、法人税などの国税が、電子申告をした後、カンタンなクリック操作で、預金口座からの振替で納付できるしくみです。
以前からも電子申告で納税はできましたが、ダイレクト納付は、もっとずっと簡単になっています。是非、活用してみては?
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
しくみ作りは、2つの観点から
会計のしくみを、きちんと作っていくことが大事、ということを先週書きました。
当然と言えば、当然なのですが、これがきちんとできていない会社というのが、結構多いのです。
当然、どの会社も何らかの会計のしくみはあるのですが、その目的を十分に達成できるほどのしくみにはなっていないです。
会計の目的を、十分に達成するためには、2つの観点から考えておく必要があります。
1つは、「管理をする」という観点から。
すなわち、正しく経理処理が行なえるようにする、ということです。
会計は、大事なお金を扱うものですから、1円まできちんと合っていなければならない。当然ですね。
預金の残高が合っていない、現金の帳簿残高と金庫のお金が合っていない、では困るのです。
お客様からまだいただいていないお金が、きちんと帳票で確認できなければならないのです。
これらの部分は、会計の「信頼」の部分ですね。
表示されている数値が信頼できない会計では、話になりません。
この正確な数値を出せるようにしていく、そのようなしくみを作るというのが、管理をするという観点です。
そして、もう1つの観点が、「活用する」という観点です。
会計は、正しい数値を出す、ということだけが目的ではありません。
その出た数値を、いかに活用するか、ということが大事です。
これには様々な活用方法があります。
お客様からの売掛金をいかに早く回収するか、資金繰りを良くしていくためには、どうしたらいいか、この会社はどこで儲けて、どこが足を引っ張っているのか?
それを解決するためには、どうしたらいいのか?
立てた目標や計画の、達成度合いはどうなのか?
社員皆への給料は、どのくらい払えるのか...
・・・
等々、出てきた数値は、様々なことに活用するはずです。
何に活用するのかを事前によく考え、それが活用できるような会計のしくみを考えるのです。
これが活用するという観点です。
言ってみれば、前者は財務会計、
後者は、管理会計といってもいいのかも知れません。
この2つ、特に後者の管理会計が可能な会計のしくみを作ること、これを特に意識してやっておく必要があります。
会計は、期が始まってしまうと、帳票体系や会計ソフトの設定なども含め、カンタンには変えられないものも多いです。
したがって、会計のしくみを考えるのであれば、決算期末が終了する、1ヶ月あるいは2~3ヶ月前から、十分に準備をしておく必要があります。
決算対策だけでなく、翌期の計画とともに、会計の仕組みづくりの改善計画も、毎期考えるようにする必要があると思います。
編集後記
先週末は、熱海に、あるグループの仲間と行ってきました。
とっても眺望のよい旅館で、海を見下ろしながら入る温泉、すごく良かったですね。ちょっとのんびりし過ぎてしまいましたが、今週からは、私たちにとっては税務調査の秋...気合入れて行かないといけないですね!
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