実践!社長の財務
平成22年度税制改正大綱の一部【実践!社長の財務】第321号
2009.12.28
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
ようやく税制改正大綱が発表されましたね。
大きな驚きはなかったですが、意外と細かい懸案の部分が改正されましたね。
大きな部分は新聞報道に任せるとして、細かい部分を今日は少し書いてみたいと思います。
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
平成22年度税制改正大綱の一部
<法人税関連>
グループ法人税制(一部)
100%グループ内の内国法人間の損益について、次のような規定が設けられました。
・一定の資産の譲渡損益は、その資産のグループ外への移転等の時に、その移転を行なった法人において計上する。
・寄付金については、支出法人側は全額損金不算入とし、受取法人側は全額益金不算入とする。
・受取配当について、負債利子の控除を廃止し、全額益金不算入とする。
大法人(資本金5億円以上の法人等)の100%子法人については、資本金1億円以下の法人に係る次の制度については、適用しないことになりました。
・軽減税率
・特定同族会社の特別税率(留保金課税)の不適用
・貸倒引当金の法定繰入率
・交際費等の損金不算入制度における定額控除制度(年600万円まで損金算入)
・欠損金の繰戻しによる還付制度
上場会社の子会社など、注意しなくてはいけないですね。
連結納税
一定の連結子法人のその開始または加入前に生じた欠損金額を、その個別所得金額を限度として、連結納税制度の下での繰越控除の対象に加されることになりました。
これで、連結納税が非常に使いやすくなりましたね。
特殊支配同族会社の役員給与の一部損金不算入制度の廃止
いわゆる一人オーナー会社の役員給与の内、給与所得控除相当額が損金不算入とされる制度でしたが、数々の批判もあり、ようやく廃止されることになりました。正直、良かったです。
これは、平成22年4月1日以後に終了する事業年度から廃止されます。
<消費税関連>
課税事業者を選択することにより、固定資産の取得にかかる仕入税額控除 を受けた場合は、その期間を含む3年間は、引き続き課税事業者であることが義務付けられました。
また、この期間については、簡易課税を選択することができません。
なお、資本金1,000万円以上で会社設立をして、当初2年間の課税事業者である期間に、上記固定資産の仕入税額控除を受けた場合も、上記と同様とされます。
消費税の還付だけ受ける「逃げ得」を防止する、ということですね。
<住宅・土地関連>
親や祖父母から、住宅取得資金の贈与を受けた場合、現行500万円まで贈与税を非課税とする規定がありますが、それが次のように改正されました。
・平成22年中に贈与を受けた者 1,500万円まで非課税
・平成23年中に贈与を受けた者 1,000万円まで非課税
ただし、対象になる者は、受贈年の合計所得金額が2,000万円以下の者に限定されました。
住宅取得資金の贈与に係る相続時精算課税の、1,000万円上乗せ部分が廃止されました。これにより、住宅取得資金の贈与も一般の贈与の精算課税と同様に、2,500万円までが非課税とされます。
上記の平成22年中の特例と合わせると、4,000万円まで非課税ということで、平成21年(3,500万円+500万円)と変わらない、ということですね。
なお、住宅取得資金の精算課税における、親の年齢制限なしは、継続されます。
所有及居住10年以上の居住用財産の買換え特例は、譲渡資産の譲渡対価の額2億円以下、という条件をつけた上、2年間延長されました。
その他、まだまだ改正事項はありますが、おいおい解説していければと思います。
本年も1年間ありがとうございました。また、来年以降も休まず継続して、多少なりとも役に立つお話をしていきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
編集後記
当社は、26日の土曜日を出勤日として、大掃除&忘年会をし、本日から冬期休暇に入りました。緊急の要件等あるお客様は、メールをいただくか私の携帯までご連絡ください。新年は5日からです。(業務連絡で、すみません。)
本年ももう残りわずかですが、来年の私の運勢はすごくいいみたいです。いい時だけ信じる!ということで、来年も明るく楽しく強くやっていきたいと思います。
皆様、是非、良いお年をお迎えください。 北岡 修一
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