実践!社長の財務
筋肉質経営の原則【実践!社長の財務】第327号
2010.02.08
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
稲盛和夫氏の日本航空会長就任の記者会見全文を、読ませていただきました。本当に感動しました。
JAL再生の見込みがあるのかどうか?晩節を汚すようなことがあったらどうするのか、などと心配される声をよそに、私は稲盛氏がまったく次元の違うレベルで、このお話をお受けになったんだなと感じます。
私も稲盛氏を尊敬し、稲盛哲学、稲盛会計学を学ぶものとして、大変誇りに思います。
JALのホームページや新聞各社などのサイトなどにもありますが、是非、皆様もお読みいただければと思います。
(質疑応答の部分まで読まれるといいと思います)
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
筋肉質経営の原則
この筋肉質経営の原則は、「稲盛和夫の実学」の中においても、特に強い財務体質を作っていくために、経営者が考えなければならないことが凝縮されています。
稲盛氏は、企業をよく人間の体にたとえられますが、企業が永遠に発展し続けていくためには、ぜい肉のまったくない引き締まった筋肉質の体でなければならない、と述べています。
これは、貸借対照表においては、余分な在庫、不良な在庫などは持たないこと、安易な設備投資などはせず、できるだけ今あるものを活かすこと。
そして、額に汗しない投機的なものには、一切手を出してはいけないということ、などです。
要は、まったく余分なもののない、スリムなバランスシートにしていくことが重要なのです。
多少会社が調子よくなると、経営者は見栄を張って、いいオフィスや、車や、最新鋭の機械などを導入したりしますが、そのような見栄に基づいた行動を、稲盛氏は厳に戒めています。
また、損益計算書においては、「固定費」の増加を警戒する、ということを最も強調されています。
中でも人件費と設備投資は、特に注意が必要です。
設備投資は、減価償却費や金利などの固定費を、長期に渡って増加させますので、損益計算に与える影響が大きいのです。
人件費も特に間接部門などは、知らずに増えていきますし、一度増えたら簡単には減りませんので、その増加は慎重にやらないといけません。
その他のこの原則は、たくさんの示唆に富んでいますので、次回以降も何回かに渡って書いていきたいと思います。
編集後記
家のプリンターが壊れ、息子が新しいものを買ってきたのですが、2万円もしない価格で、A3まで印刷できるカラープリンターが買えるのには、本当にビックリです...
メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0000119970.html