実践!社長の財務
ダブルチェックの原則【実践!社長の財務】第334号
2010.03.29
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
もう今週からいよいよ4月ですね。
何となく寒いので、そのような気がしないのですが...
桜も咲き始めていますが、できれば暖かいところで花見をしたいですね。
と、思いつつも年度末でもありますので、やるべきことは全部やったか、週初めに確認をしておきたいですね。
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
ダブルチェックの原則
社内のあらゆる書類や、お金の動きに関して、ダブルチェックを厳格にしなければならない、というのが、このダブルチェックの原則です。
会社であれば、当然、このようなことはされているはずです。
ダブルにも、トリプルにもされている会社もあるでしょう。
ではなぜ、ダブルチェックをやるのか?
一般的には、ミスを防止するため、不正を防止するため、何重ものチェックを行なう、という考え方だろうと思います。
そこには、性悪説的な考え方も入っているでしょう。
しかし、実学で言うダブルチェックは、その根本となる考え方が違っています。
それは、社員や組織に所属する人への、愛情が根本にあるからです。
人の心は大変大きな力を発揮する反面、とても弱い一面も持っており、ふとしたはずみで過ちを犯してしまうこともあります。
いつも強い心の状態でいられるとは、限らないのです。
心が弱くなっている時に、会社のお金や商品について軽い気持ちで不正を起こしてしまう、こともあり得るのです。
不正を起こしてしまったことは、当然、本人に責任があります。 悪いのはその本人です。
しかし、会社経営の観点からは、そのような不正を起こさせるような仕組みにしておいたことが、悪い、ということになります。
そのような罪を作らせないようにすることが、大事なのです。
それが、ダブルチェックの原則の根本にあるのです。人への優しさですね。
中小企業の場合、経理はひとりでやっていることが多く、それを、「今後は、毎日現金残高をチェックします。」とかやると、「私を信用していないんですか?」ということになりがちです。
ダブルチェックの原則の根本をわかっていないと、そのような誤解を招くのです。
だから中小企業では、なかなかこのダブルチェックが徹底されていないのです。
たとえば、現金を毎日チェックすることにより、経理担当者の責任は果たされた、免除されたことになるのです。
すなわち、その日の終わりの現金が合っていることが確認されれば、たとえその後に現金が合わなくなったとしても、上司が確認しているのですから、その日までに関しては経理担当者が責任を追及されることはない、ということです。
責任は、確認した上司に移るのです。
このようにダブルチェックというのは、自分の仕事を確認してもらって、責任を果たしたことを認めてくれる、それ以降の責任は免除してくれるのですから、チェックを受ける方は、喜ぶべきことなのです。
会社の中では、様々な伝票やお金が動いていますから、このダブルチェックは、その時々で厳重にしていかないと、あっと言う間にチェック漏れが発生していきます。
ですから、このルールを作ることが非常に大事なわけですね。
次回以降、ダブルチェックのやり方など、話をしていきたいと思います。
編集後記
週末は何件か花見に誘われていたのですが、どうしてもやることがあって行けませんでした。残念だったですが、ちょっと寒かったですからね...とは言え、お酒を飲んでしまえば、寒さも吹っ飛んでしまったんだろうなあ...と、やはり残念な気持ちです。
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