実践!社長の財務
アメーバ経営の採算表【実践!社長の財務】第340号
2010.05.10
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日からGWも完全に終わり、仕事スパートですね。
5月は、3月決算まとめ月であり、やはり法人決算が一番多い月です。
皆様の会社も決算のところが多いのでは?
会計もいろいろ変わっているし、注意しないと、古い会計基準で決算やっているかも知れませんよ。本当勉強すること多いですね!
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
アメーバ経営の採算表
稲盛氏の考えた、アメーバ経営の採算表は、とてもシンプルだけれど良く考えられた表だと思います。
その構造は、簡単に示せば次のようになっています。
──────────────────────────
総出荷(グロス生産高)A=B+C
社外出荷 B
社内売 C
社内買 D
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総生産(ネット生産高)E=A-D
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控除額 F
原材料費
外注加工費
・・・・・
・・・・・
──────────────────────────
差引売上(付加価値)G=E-F
──────────────────────────
総時間 H
──────────────────────────
時間当り I=G/H
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これを、各アメーバ(部門)ごとに作るわけです。
上記の採算表のポイントをあげると、
・各アメーバの社外への売上(出荷)とともに、社内アメーバ間の売り買いも、計上する。
・社内の売り買いも、原則、市場価格をベースに行なう。
・社内買は、原価(上記表の控除額)にせず、売上(総出荷)から引いて、総生産(ネット売上)を算出している。
これがミソ!
・この総生産が、そのアメーバの収益を表す指標となる。
・各アメーバの総生産の合計が、会社の売上高と合致する。
・そのために、直接、社外に売らない部門であっても、会社全体の売上高に対する貢献度が、わかるようになっている。
・これにより、社内のあらゆるアメーバが、協力して会社の採算をあげているという、意識を全社で持つことができる。
・さらに原価を引くことにより、各アメーバのあげた付加価値を認識する。
・だたし、原価には人件費は入らない。
・各アメーバの総時間で、付加価値を割ることにより、時間当りの付加価値が算出される。
・この時間当りが、時間当り人件費を上回っていれば、利益が出ていることになる。
以上、大変シンプルですが、このしくみで、あの大きな京セラの、管理会計もできているのです。
各アメーバの合計数値が、会社全体の数値と合致することが確認できていれば、これらの計算結果は、正しく集計されている、ということになります。
営業会議などで、部門別損益を出しているが、その合計は、実際の会社の月次決算と、合っていない...という会社は、多いものです。
是非、上記を参考に、部門別損益の計算も見直してみてはいかがでしょうか?
編集後記
週末、結構twitterにはまってしまいました。単なるつぶやきではなくて、結構奥が深いんですね...。(twitterグセで、つぶやいてしまった)
やっている人、見つけてください。
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