実践!社長の財務
会計の果たす役割【実践!社長の財務】第348号
2010.07.05
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
参院選あと1週間ですが、今回は税制論議が活発になっていますね。
いいことだと思います。
日本の財政については、本当に真剣に考える必要があると思います。
GDPの2倍も借金がある国は、他にはないのではないでしょうか?
ギリシャみたくなっては、本当に困ります。
増税も含め、本当に真剣に考えて欲しいですね。
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
会計の果たす役割
そもそも「稲盛和夫の実学」は、バブル経済の崩壊、その後の不況における経営者の意識・モラルの低さに警笛を鳴らすところから始まっています。
経営者が常に公明正大で、透明な経営をしようと努めていたら、また、
企業経営の原点である「会計の原則」を正しく理解していたら、
バブル崩壊後、これほどまでに不況が長引くことはなかっただろう、という強い思いが根幹にあります。
バブル崩壊後も、そして21世に入ったこの10年においても、企業の不祥事や不正は、後を絶ちません。
日本においては、バブル崩壊後、小さな好景気はありましたが、本当の好景気というのは、ついぞ訪れていないのではないかと思います。
社会主義経済が崩壊した今、資本主義経済ももはや機能しなくなっているのではないか、という危惧すらあります。
稲盛和夫の実学は、90年代後半、発刊されてから13年が過ぎていますが、そこで稲盛氏が言われていることは、いまだにまったく古くなっていないと思います。
すなわち、現在、資本主義の限界もささやかれていますが、
「そもそも資本主義社会は、利益を得るためなら何をしてもいい社会ではない。
参加者全員が、社会的正義を必ず守るという前提に築かれた社会なのであり、厳しいモラルがあってこそ初めて、正常に機能するシステムなのである。」
ということをおっしゃっています。
資本主義がダメになっているのではなく、その前提が崩れかかっていると、いうのです。
資本主義を正常に機能させていくためには、資本主義社会を支えている経営者が、高い倫理観を持ち、すべての企業がフェアで公明正大な経営を実践していく必要がある、ということなのです。
そのために、会計の果たす役割は非常に大きい、ということです。
なぜなら会計において、万全を期した管理システムが構築されていれば、人をして不正を起こさせないからです。
これを、今までやってきた実学の実践原則7か条、特に、
「一対一対応の原則」、「ガラス張り経営の原則」、「ダブルチェックの原則」を取り入れることで、そのような管理システムを構築することができるのです。
複雑なシステムは必要ではなく、実践原則に基づくシンプルなシステムを作ればいいのです。
まずは、当たり前のことを当たり前にやれる仕組みをつくる、それを運用するということが大事であり、それが会計の役割、ということですね。
もちろん、不正を起こさせないということだけでなく、これらを実施することにより、企業の健全な成長発展をももたらすことも可能になっていきます。
このような会計の大きな役割を認識して、日頃の会計業務、管理会計業務に取り組んでいかなければと、あらためて感じます。
編集後記
7月に入りましたね。そろそろ夏休みもどうしようか、と考える時期(もっと早い?)ですが、子どもも大きくなってくると、まとまらなくなり、ほとんどノーアイディアの状態です。まあ、それぞれ既にいろいな予定があり、家族全員というのは難しいでしょうが...。
父親一人取り残されそうです...(笑)。
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