実践!社長の財務
移動年計表の例【実践!社長の財務】第358号
2010.09.13
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
どんどん日の出時刻が遅くなっている感がしますね。
5時でもまだ暗いですし...つい、起きるのが遅くなってしまいます。
まだまだ暑いですけど、やはり秋に近づいてきている、という気がします。
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
移動年計表の例
先週、移動年計表の話を書きましたら、何人の方からか質問やイメージがつかめない、というメールをいただきました。
私の説明のしかたが悪いのか、やはり文章だけではなかなか難しいですね。
そこで、ちょっとした計算例を、載せてみます。
本来、横に展開した方が良いのでしょうが、テキスト・メルマガという制約上、縦に展開させていただきます。
移動年計を取るには、ある程度の期間が必要ですので、3年分の売上高をとってみます。とりあえず、業種や単位等は度外視して下記の数字を見てください。
(移動年計の例)
年 月 当月売上 移動年計売上
2008 1 35
2008 2 23
2008 3 56
2008 4 48
2008 5 46
2008 6 40
2008 7 42
2008 8 29
2008 9 35
2008 10 40
2008 11 48
2008 12 50 492
2009 1 32 489
2009 2 29 495
2009 3 62 501
2009 4 52 505
2009 5 54 513
2009 6 48 521
2009 7 44 523
2009 8 35 529
2009 9 43 537
2009 10 50 547
2009 11 56 555
2009 12 59 564
2010 1 42 574
2010 2 38 583
2010 3 68 589
2010 4 46 583
2010 5 48 577
2010 6 41 570
2010 7 43 569
2010 8 35 569
2010 9 38 564
2010 10 42 556
2010 11 43 543
2010 12 46 530
上記は、Excelで計算したものを、貼り付けました。
移動年計は、その月以前1年間の合計ですから、12月分のデータが貯まったところから出てきます。
上記の例で言えば、2008年12月から移動年計が計算できます。
2008年12月の移動年計は、2008年1月から2008年12月までの12ヶ月の売上の合計です。
以降、同じように、2009年1月は、月を1つずらして、2008年2月から2009年1月の合計の売上高が、移動年計となります。
すなわち、毎月、年計を1つずつ移動してとっていくので、移動年計と呼ばれているのですね。
この表の移動年計を見ると、明らかなように、
2008年12月から2010年3月までは、売上がずっと上昇傾向にあるのに、2010年3月の589をピークに、下降傾向に入ってきていることがわかります。
毎月の売上、前後月の売上だけを見ていたら、上がったり下がったりデコボコで、傾向がよくわかりません。
しかし、移動年計だと、よくわかるんですね。傾向が。
この表からすると、2010年4月に、あるいはその前に何か変化が起こり、この会社あるいは、この商品の売上が落ちてきているのです。
この移動年計は常に12ヶ月分を集計した数字ですので、季節要因はまったく排除されています。
純粋に、その会社や商品の「売り上げる力」を表しています。
ですので、この数字を見て、早急に対策を考えていく必要があるのです。
この数字を、折れ線グラフにするとさらによく傾向がわかってきます。
以上で、ご理解いただけたでしょうか?
編集後記
先週は、当社の新年度経営計画会議を行ないました。
これから1年間、新年度はどのような目標を立ててやっていくか、各人・各チームで発表していただきました。年に1回でもこういうのをやると、全員のベクトルが揃ってきていいですね。
5年後の計画も立ててみました。ちょっとバラ色過ぎるかも知れませんが...(笑)
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