実践!社長の財務
移動年計表を作る【実践!社長の財務】第357号
2010.09.06
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
やはり9月でもまだまだ暑いですね。
蒸し暑いのが嫌ですが、でも常に気持ちはアツく、今週も頑張っていきましょう!
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
移動年計表を作る
是非、お奨めなのは、移動年計表を作ることです。
売上だけでもいいと思います。
年計とは、8月であれば、前年の9月から本年8月までの合計額となり、9月であれば前年10月から9月までの合計額となります。
この年計を毎月集計して、1つの表にしたものを「移動年計表」といいます。
つまり、その表は、毎月末から前1年間の数字が、横に並んでいるわけです。
毎月末を、1年決算とした売上が並ぶわけですね。
わかりますか? 私の説明がうまくないとはい思いますが...。
先月話した通常の損益月次推移表は、各月の損益が横に並んだものです。
各月の売上から、経費から、損益が一覧できてその推移がわかる、これは非常にわかりやすいと思います。先月も話したように腑に落ちてくると思います。
ただ、どうしても多かれ少なかれ、季節や時期的な業績の変動が起こりますので、単純に各月を比較することはできません。
当然、そのような季節変動要因などは、読み取れますが。
これが移動年計になると、ずい分変わってきます。
何しろ毎月過去1年間の数字を集計して、横に並べていますから、まず、季節変動の要因が排除されます。
毎月1年分入っているわけですから、季節変動は関係ありません。
そうすると、何がわかるか...
そうですね。長期的な視点で見た、変動の傾向が見えてきます。
売上が上昇に向かっているのか、下降に向かっているのか、
というのが見えてきます。
単月の推移表ですと、季節変動的な要因があって、長い目で見て上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかが、なかなかわかりません。
しかし、季節変動的な要因を除外した、移動年計表を見ると、この傾向がハッキリわかるようになります。
したがって、この移動年計表の活用目的は、今は上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか、それを掴んでおくこと。
そして、さらに重要なのは、いつ上昇傾向から、安定傾向に入ったのか、さらにいつ下降傾向に入ったのかを、つかむことができる、ということです。
したがって、この移動年計表は、会社全体の売上で作ると同時に、製品・商品別、事業別、地域別など、セグメント別に作ることがより効果的です。
売上だけでいいのです。
そして、表だけではわかりづらいので、必ず折れ線グラフも作ることですね。
これによって、どの事業を伸ばし、どの事業や製品のテコ入れをするのか、撤退を検討するのか、新製品はいつ投入したらいいのかなどを検討するのに、威力を発揮してくれます。
編集後記
子どもたちの学校も始まって、ようやく普通の生活に戻ってきましたね。でも却って朝ごはんが早くなったりして、こちらとしては生活のリズムがくるってきてしまう、というのも変ですね...(笑)
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