実践!社長の財務
資金がなくても事業は立ち上げられる!【実践!社長の財務】第368号
2010.11.22
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日も、私の関与してきた顧問先の実例で行きます。
時間がないので、早速、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
資金がなくても事業は立ち上げられる!
この顧問先も、独立後まもなくからのお付き合いです。
業種は不動産業です。住宅の仲介や、建売販売を行なっています。
私が、以前に勤めていた会計事務所の顧問先の取締役が、スピンアウトして会社を作りました。
住宅の販売には、広告費が、かなりかかります。
新聞の折込みチラシや、住宅情報などの雑誌に物件を掲載して、反響電話を得て、そこから営業ということになります。
独立当初は、当然ですが、お金がありません。
でも、この社長、ビックリするような手で、資金を調達し、一気に業務を拡大します。
独立半年後には、もう2店舗目を出していたような気がします。
独立当初ですから、銀行からは借りられません。
特に、不動産業は厳しかったかも知れません。
そこで、この社長は、広告代理店から資金調達することを考えました。
独立前の会社から懇意にしていた広告代理店の社長と話をつけ、何と広告費を6ヶ月間支払わなくてもいい、という約束を取り付けました。
6ヶ月間、資金負担なしに、広告をバンバン打つ、そして、社長を筆頭に、前勤務先から付いてきた営業5名が、ガンガン契約を取っていくのです。
私もそのさ中に、何度も会社に行きましたので、その活気たるやすごいものでした。
では、6ヶ月間支払わなかった広告費は、どうしたのでしょうか?
それは、7ヶ月目から半年間をかけて、猶予してもらった分を、支払っていったのです。
しかも、7ヶ月目からは、通常の広告費もきちんと支払いながら、です。
そして、1年を過ぎて正常な状態になり、その頃には、3店舗20数名の陣容になっていました。
ものすごい戦略ですよね。
財務戦略と、営業戦略をからめた...。
事業をどのように軌道に乗せるか、その戦略をじっくりと練って、絶対の自信を持って始めたのではないかと思います。
この社長は、本当に頭がいいというか、計算が速くて、何かプロジェクトをやるにしても、一瞬の内に頭の中にこの事業の採算性や、事業の枠組みを組み立ててしまう、
そんな気がします。
それと、もう1つは、広告代理店がこの社長に対して6ヶ月払わなくていい、という与信を与えた、というのもすごいことです。
中堅のオーナー型代理店だからできたことで、大手では絶対やってくれないでしょうね。
社長が、その信頼に足る人物だった、ということでもあると思います。
いずれにせよ、こんなに劇的な事業の立ち上げというのは、後にも先にも見ていないですね。
どんなにお金がなくても、知恵と勇気と信頼さえあれば、事業はできるんだ、ってことです。
編集後記
第1回の実例にも、感動したという感想をいただきました。
本当の実例ですので、作りごとでないところで書いていますので、少しでも皆様の勉強や仕事の参考になるといいですね。
ご感想などあれば、是非お寄せください。
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