実践!社長の財務
謙虚にして驕らず、が大事【実践!社長の財務】第370号
2010.12.06
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
12月に入りました。
今年も仕事をするのは、あと実質3週間という感じですね。
当然、1月も引き続き仕事をしていくのですが、何か年末というのは厳かな感じで、年内にできることはやってしまいたい、という気持ちになります。
ということで、今年やるべきこと、やり残したことをピックアップして、何としても年内に終わらせ、気持ちいいお正月を迎えましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
謙虚にして驕らず、が大事
今回は、うまくいかなかった会社のお話です。
これはまだ私が独立する前、24歳位のウン十年前の話です。
不動産会社の社長でしたが、体育会系で、とても元気な会社でした。
その会社に訪問して帰る時などは、社員が全員玄関の前に並んで、「ありがとうございました!!」と大声であいさつされて、見送られて帰ります。
とても気恥ずかしい感じでしたね(笑)。
そのような体育会系の会社でしたから、明るく礼儀正しく、社員のやる気もあって、業績をドンドン伸ばしていました。
S社長も強気のイケイケドンドンの社長で、なぜか私とは気が合って、気に入ってくれて、「北岡さんは、突貫小僧みたいだね。」などと言われていました。
私も若かったせいか、結構いろんな提案を、意気込んでしていたんだろうと思います。
「突貫小僧」というのは、自分自身ちょっと気に入っていたのですが...(笑)。
そんな昇り調子の会社でしたが、ある日突然、専務が退職してしまいました。というか、社長が専務を切ってしまったのです。
専務は、営業から経理まで統括しており、社長の影で目立たなかったのですが、会社経営の要のような位置にいました。
私どもが、会計事務所として訪問して、わからないことがあると、すべて専務に聞けばわかる、というような状況です。
社長は、そんな専務が目の上のタンコブになったのではないかと思います。社長の積極策と専務の慎重な意見が合わなくなったのでは? という気がします。
その後、私は25歳でその会計事務所を辞め、独立してしまったので、詳しいことはわからないのですが、数年して、S社長の会社が倒産した、と聞きました。
本当に、ビックリしました。
あのS社長の会社が...という感じです。
私から見れば、積極的で明るくて、前向きで、才能あふれる社長に見えました。優秀な営業もたくさんいたし、なぜつぶれたんだろう、と思いましたね。
後日やめさせられた専務(実は、専務が立ち上げた会社は、私が独立した後だったので、顧問先になってくれました)
に、S社長が会社をつぶした理由などを聞きました。
原因は、言ってみれば、ドンブリ勘定ですね。
積極的なだけに、非常に金遣いが荒かったと...。
そう言えば以前から、その会社に訪問していて、なかなか現金が合わないのに、苦労していました。
今から考えれば、現金が合わないこと自体がおかしいのですが、当時はそんなもんか、と思ってやっていました。
その原因の多くが、社長だったんですね。
金遣いが荒いだけでなく、お金の区別が明確につかなかったようですね。
お客様から預かっているようなお金も、仕入資金、仕込み資金に使ってしまう。
取引先(やばいところも含め)との貸し借りが非常に多かった。
そして不動産会社の社長によくありがちな、高級車に乗って高級クラブをはしごする、みたいなこともやっていたようです。
まあ、言ってみれば典型的な倒産への道ですね。
専務がいた頃は、その点を専務がしっかり抑えていた、ということだったのですね。
社長と専務2人がいれば、その会社はかなり発展したのでしょうが、業績が良くなって、社長は天狗になってしまった、というのが最大の原因だと思います。
経営者は、どんなに会社が良くなっても「謙虚にして、驕らず」ということが大事です。
また、自分を抑えてくれる人の存在、というのも、その時はうっとうしくても、絶対に必要なのではないかと思いますね。
社長の皆様、そんな人材を持っていますか?
編集後記
今日の話は、四半世紀も前の話なので、結構記憶があやふやですね。
でも、とても印象深い会社でした。「突貫小僧」は、今でもあるサイトのハンドルネームで使ったりしています。お目にかかったらそれは私です(笑)。
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