実践!社長の財務
やるべきことをきちんとやると...【実践!社長の財務】第377号
2011.01.24
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は時間がないので、早速本文に行きたいと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」行ってみましょう!
やるべきことをきちんとやると...
ある上場会社が半分以上を出資し、同業の中小企業が数社で出資して、設立された会社(ソフトウエア制作業)があります。
社長や常勤の役員は、その上場会社から出向で来て、各中小企業からも役員が非常勤で入っています。
上場会社と中小企業数社の合弁、というのも珍しい形態かと思いますが、結構様々な温度差があるものです。
その会社は、親会社も立派でそこから役員も来ていますので、最初から都心の高層ビルにオフィスを構え、内装もセンス良く大変立派なオフィスでスタートすることになりました。
中小企業連合の方は、皆都心から離れた小さいビルなどに事務所があるため、「最初から贅沢過ぎる」みたいな反論がありました。
経費の使い方一つをとってみても、贅沢なところがあり、ずい分と意見がかみ合わなかったものです。
事業も最初はなかなか軌道に乗らず、当初の設備投資の大きさや損益分岐点に到達するまで時間のかかる事業モデルでもあるため、4年間は、赤字決算になってしまいました。
だから、余計に上場企業 対 中小企業連合の対立構造が浮かび上がってきてしまいました。
しかし、この会社は、上場企業の子会社だけあって、やるべきことはきちんとやっていました。
事業計画をきっちり作り、取締役会や株主総会をも、法律どおりしっかり運営し、社内法務部がきちんと議事録を作り、監査も行ない、粛々と経営をしていきました。
当然、赤字は赤字をしっかり出し、粉飾するようなことは一切ありません。当然と言えば当然ですが。そのため、もうこれ以上はという、大きな債務超過の状態まで来てしまいました。
株主の各社は、その会社への出資、有価証券を1円まで評価減せざるを得ない状況まで来たのです。
ところが5年目になり、損益分岐点を超えてからは、一気に会社が黒字体質になっていきます。この会社はお客様の積み上げモデルの会社なのです。
お客様の数がある一定数を超えたら、そこから爆発的に儲かるようになる、そんな会社です。
そこからは、今までとはまったく違った光景になっていきます。
事業がつらい時でもやるべきことをきっちりやっていましたから、これは、事業が軌道に乗った時はものすごくいい方向に生きていきます。
常に事業計画を上回る状態が発生してきました。
赤字の時に、対立構造もあったため、経費が抑制されるしくみにもなっており、大企業の考えだけでない、中小企業の考えも取り入れた経営になっています。
利益の出ないつらい時から、取締役会や株主総会なども形式的な面もありましたが、きっちりと運営してきたので、ガバナンスも非常に良く効いています。
不正や粉飾なども一切なく、真面目にやってきましたので、いい雰囲気が社内にあるような気がします。
まあ、納税もかなりすごくなってきたのですが。
おかげで、株主各社は1円の簿価で、ものすごい含み益のある有価証券を持つことになりました。
なぜ、こんなに私は知っているか、それは設立以来、ずっと監査役をやって見てきたからなんですね。こういう会社に設立からつきあわせていただいて、本当に私も幸せだなあ、と思います。
どんなつらい状況でも、やるべきことをきっちりやっておく、そういう会社がいずれはすばらしい会社になっていくのではないでしょうか?
(守秘義務もありますが、上記のような書き方なら、どの会社かは、全然わからないですよね?(笑))
編集後記
ホームページ、リニューアルオーブンしました。
最初に私の写真が、ドーンと載って、恥ずかしいですが(笑)、よろしければ、是非、ご覧ください。
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