実践!社長の財務
値決めは経営者の最大の仕事【実践!社長の財務】第378号
2011.01.31
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
早くも今日で1月が終わりですね。
今年最初の月、あっという間でした。
こんな調子で、毎月が過ぎていくので、本当に1年間はあっという間なのでしょうね。
でも、まだまだ1月、元旦の計もよく覚えているし(笑)、是非、それを達成すべく、来月も頑張っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」行ってみましょう!
値決めは経営者の最大の仕事
私の尊敬する京セラ創業者である稲盛和夫氏は、「値決めは経営」ということを、経営の原点12カ条の中で言っています。
「お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段、それ以上低ければいくらでも注文が取れるが、それ以上高ければ注文が逃げてしまうという、そのギリギリの1点で注文を取る。」
これを追求していかなければいけない、と言います。
そして、これは正に経営者の仕事であると。
この教えは、考えれば考えるほど、深いなと思います。
これは、値段のことを言っているだけではないわけですね。
いくらで売るかは、法律で規制された業種でなければ、その会社の、その経営者の自由です。
いくらで売ってもいいわけです。
しかし、その値段で売れるかどうかは、いろいろな条件があって決まってきます。
その商品やサービスの品質であったり、機能であったり、売る場所であったり、売り方であったり、付加サービスであったり、商品のライフサイクルであったり、そして、他社との競合状況であったり...
様々な要素で、値段は決まってくるのです。
これを、どのような要素を重視して、あるいは選択をして値段を決めるかが、経営者の判断なのです。
言ってみれば、ビジネスモデル全体を決める、ということです。
値決めというのは、ビジネスモデルを作り上げることなのです。だからこそ、これは経営者の仕事である、ということですね。本当にそう思います。
弊社のお客様で、教育関係の会社がありますが、本当に子供のことを考えたすばらしい、教育プログラムを提供しています。
そういう教育であったらうちの子供も受けさせたいな、と心から思える内容です。残念ながらもう大きくなり過ぎてしまいましたが(笑)。
そういうすばらしい会社なのですが、利益があまり出ていません。というか、現在は赤字に苦しんでいます。
この会社こそ、正に値決めは経営、ということだなあ、と思います。
要は、安過ぎるんですね。
立派な教育者にありがちですが、いい教育をできるだけたくさんの方に受けてもらいたい、ということで、料金が非常に安いのです。
ですから、受ける方は喜んでたくさんの方が受けてくれます。
しかし...会社としては、赤字になってしまう。
一私企業がやっている事業ですので、赤字になってしまったらやっていけないんですね。
経営者の気持ちはすごくわかるし、立派ですが、やはり経営者であれば、値決め=ビジネスモデルを、もっともっと知恵を絞って考えないといけないですね。
値決めは、どこの会社でも苦労する、迷うところではありますが、会社のため、お客様のためにも、
単に値段だけではなく、ビジネスモデルとしてどう成り立つのか、こういうやり方であれば、この値段でもお客様はきっと喜んでくれるのではないか、ということを、トコトン考えないといけないですね。
これを作り上げることこそ、本当の経営者の仕事なんだなと、つくづく思います。
御社のビジネスモデル、値決めは、本当に今のままで、お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段に、なっていますか?
編集後記
週末は、仕事も含めいろいろな話があり父親のところに行ってきました。
うちの父親も事務所は違いますが、実は税理士をやっているんですね。もう80歳もとっくに過ぎていますが、現役バリバリです。夜お酒も飲んで私が帰える時、もういいのに、と言うの、駅に行く途中まで送ってきてくれて、別れてもずっと見送ってくれているんですね。何だか少し感傷的になってしまいましたね。まだまだ元気で頑張って欲しいです!
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