実践!社長の財務
会社でまとめて寄附する場合【実践!社長の財務】第385号
2011.03.21
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
東北地方太平洋沖地震から10日が過ぎました。
いつもは早く感じられる時間が、ずい分長いような気もします。
まだまだ、復旧・復興には遠い状況で、被災地の皆様のご苦労を早く取り除けるよう、私たちもできることをしていきたいと思います。
今回の震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々、その家族の方々へ、心からお見舞い申し上げます。
会社でまとめて寄附する場合
今回の震災について、お客様からいくつか質問をいただいており、何回かそれについて書きたいと思います。
まず1つは、今回の震災で社員の皆からお金を集めて、会社でまとめて寄附をしたいが、これは社員各人の寄附金控除の対象になるか、ということです。
結論から言えば、これは、各社員個人の寄附金になる、ということです。
これについては、所得税基本通達78-8(個人の負担すべき寄附金を法人が支出した場合)に書かれています。
簡単に言えば、個人が負担すべき寄附金を法人が負担した場合であっても、その寄附金が個人の所得から出されたものであれば、個人の寄附金になるということです。
ただし、給与天引きで社員から寄附金を徴収する場合は気を付ける必要があります。
労働基準法上、給与から控除できるものは、限定されているからです。給与から控除することについて社員との協定や、各人の同意などが必要になるでしょう。
上記、寄附金が寄附金控除の対象になるかどうかは、どこに寄附するか、によります。
国・地方公共団体や日本赤十字社などであれば、問題ありませんが、その他については注意しておく必要があります(寄附金詐欺なども出てきたようですので...)。
その点について、国税庁は3月15日に、義援金等の寄附先の確認手続きについて、公表しています。
→ http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm
災害に際して寄附する場合は、確認手続きが緩和されています。
せっかくの寄附金ですから、それが正しく使われるよう、また、皆様の申告手続きにも支障が出ないよう、十分確認して行なってください。
編集後記
福島第一原発が本当に心配ですね。原発の方々はもちろん、消防隊や自衛隊が、決死の覚悟で活動を行なっている姿、頭が下がります。彼らの頑張りで必ずしや良い方向にいくことを信じています。
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