実践!社長の財務
社員の退職後は、大丈夫か?【実践!社長の財務】第445号
2012.05.14
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
5月中旬になりました。
3月決算の会社も多いかと思います。
そろそろ決算数字がまとまったか、もう決算終わってしまった会社もあるかと思います。
私どもの顧問先も、3月決算の会社が最も多いですね。
今週がヤマですね。
今日も頑張っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
社員の退職後は、大丈夫か?
昨今、退職金制度というのは、どんどんなくなってきていますよね。
終身雇用という考え方が薄らいできて、退職後にもらうよりも、今の給与でもらいたいと考える人が増えているからだ、とも言われます。
でも、果たして本当にそうなのかなあ、と思います。
私どもは、よく大企業のサラリーマンの確定申告などを行ったりすることもあります。
住宅を購入した場合など、不動産会社を通じて頼まれたりするからです。
その時に併せて退職金の申告や、確認をしたりすることがあります。
やはり大企業に新卒から勤めていた方などは、かなり高額な退職金になってたりしますね。
さらに、基金や他の退職金制度からも、二重・三重にもらえている場合もあります。
やっぱり大企業はすごいなあ、大企業に行きたかった理由もわかるよなあ、などと思ったりしますね。
大企業の社員は、うらやましい限り(大企業でも破綻してしまうこともありますけどね)ですが、では、果たして中小企業はどうなんだろうか、というのが次に考えてしまうことです。
何十年も会社に勤めて、定年退職を迎え、出る退職金はほんのわずかの金額。
自分でもあまり貯蓄をして来なかった。これから長い老後の生活はどうしよう...。
この会社に勤めていた何十年は、一体何だったんだ...。
な~んて、思われたとしたら寂しいですよね。
中小企業の社長さんも、何とかしてあげたいけど、日々の資金を回すのが精一杯で、これ以上は出せない...。
お互いに寂しい思いになるのではないでしょうか?
そんなことにならないように、中小企業ではやはり退職金制度というのを、きちんと考えておいた方がいいと思います。
退職金でもらうより、今の給与に上乗せして、と言っても、大企業はそれをできるでしょうが、中小企業では簡単にはできません。
退職金がなくなった上に、給与の上乗せもいつも間にか通常給与になっていってしまう、のではないでしょうか?
そんな明確な管理・運用はできないと思います。
また、もらった方も、日々の生活費・教育費に消えてしまい、退職後のために積み立てておく、なんてできる人は少ないでしょう。
ですから中小企業は、きちんと退職金制度を設けておくべきだと思います。
無理して高額な制度にする必要はないです。
できるところから始めて、業績が良くなれば少しずつ増やしていくような制度にすればいいのです。
そこでお奨めなのは「中小企業退職金共済」です。
これは、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する制度です。
1人あたり月額最高3万円を、会社負担で掛けることによって、社員が退職した時には、機構から退職金が支払われることになります。
会社の資金繰りに関係なく、機構が払ってくれるから安心ですね。
また、会社の方は、毎月の掛金を経費(損金)で処理することができます。
いわば、簿外で退職金を積み立てていくことができるのです。
これは、是非、使ったらいいと思います。
このような共済掛金、さらに足りなければ生命保険なども活用して、社員が定年後も最低限困らないような制度を作っていって欲しいですね。
せっかく縁あって入社してくれた社員、この会社のために一生懸命働いてくれた社員を、是非、大事にしてあげてください。
編集後記
3月決算の会社も多いですが、いろいろな会の年度決算や総会が多いのもこの時期です。
4月は年度変わりという気分になりますが、もう少し分散してもいいような気もしますね。
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