実践!社長の財務
現場の意識改革「コスト削減」【実践!社長の財務】第475号
2012.12.10
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
選挙戦真っ只中ですね。
いよいよ今週末、今回は本当にどこに投票したらいいのか迷う選挙ですね。調査結果も「決めていない」という人が一番多いようです。
今の閉塞感を破る政権を期待しています。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
現場の意識改革「コスト削減」
JAL再生は「意識改革」が、そのポイントであったようです。
その「意識改革」について書かれた経営誌を読みました。
中でも現場の意識改革、コスト削減について、すごいなと思ったことを、皆様とシェアしたいと思います。
整備部門では、固定費削減等で整備関連費用の半減を実現したとのこと。
やったことは、徹底的にモノを買わない努力をするということ。
また、不要な在庫は、中古品の相場を見て売却するということだそうです。
ここでいうモノ、在庫とは、整備に使う部品のことです。
中でもすごいと思うのは、新たな部品を買わないために、必要な部品を、工場内にある稼働していない点検整備中の飛行機から取り外して使う、ということです。
そうすれば部品在庫は、究極的にはゼロにすることができる、ということです。
この発想はすごいな、と思いましたね。
ただ、これは現場の整備士にとっては、完全な二度手間になる作業です。
でも、残業や休日出勤にならず、就業時間内にできるのであれば、その作業にかかる新たなコストは発生しないわけですから、やはりやるべきことなんだろうなと思いますね。
また、路線統括本部では、経費削減に向けて宣伝の打ち方使い方から、航空機の機種変更まで幅広く関わっているとのこと。
飛行機を飛ばすことにかかわる、すべての収入と経費に目を向けているということです。
今までは、このような部門はなかった、誰も路線別の収支を見ていなかった、ということですから、破綻も当然の結果だったのかも知れません。
具体例としては、タイの大洪水の際の対応が紹介されていました。
とにかく収支ベースで判断する、ということを徹底したとのこと。
そこから導き出された結論は、間引き運行をするということ。
これは一歩間違えば、取引先、お客様からの信頼を失いかねない重要な判断です。これを様々な条件を分析して、社内協議を重ね、最後は収支ベースで判断する。
その結果、採算を守ることに成功したとのことです。
企業ですから、やはり収支は重要です。でも、お客様ももっと重要、この折り合いをつけるのは、やはり収支をベースに判断する、という基準があったからこそ、だと思います。
調達部門は、一時は「調達させない部」と呼ばれたそうです。
調達に関しては、京セラの購買ルールを導入し、実際に使用する「要求元部門」と、購買活動を行う「購買部門」の分離をはかって、ダブルチェックがかかる体制を築いていきました。
購買要求があると、
・比較購買できているのか?
・仕様変更の余地はないのか?
・そもそも本当に買う必要があるのか?
という観点で見ていくそうです。
その結果、何とほとんどすべての稟議を返却することになった、そうです。
いかに必要のない、あるいは現状で何とかなるのに、購買要求が多いか、ということです。これはJALにかかわらず、皆様の会社でもそうかも知れませんね。
まだまだいろいろな実例が書かれていましたが、JALが再生され、世界の航空会社でNO.1の利益を上げるようになった秘訣は、こんなところにあるのだと思いますね。
編集後記
忘年会シーズン真っ只中ですね。週末は土日とも忘年会がありました。少しはセーブしようと思いますが、始まってしまうと結局いつものペースになってしまいますね。
今週は忘年会のピークですかね?皆様もお体には十分ご自愛ください。
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