実践!社長の財務
付加価値をどのように分配するか?【実践!社長の財務】第498号
2013.05.20
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
株価が15,000円を突破しましたね。あまりにも急に上がっているので、ちょっと心配ですね。
低迷期が長かっただけに、ちょっと上がると、どうせまた下がるのでは? という思考の習性がついてしまったのかも知れませんね。
さて、今週はどうなるのでしょうか?
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
付加価値をどのように分配するか?
先週は、付加価値の話をしました。
付加価値という言葉は、何か私は好きですね(笑)。
毎日、毎日、付加価値を生み出すために活動しているようなものです。
皆、それぞれ自分の付加価値を、発揮しているわけです。
そうやって各人が生み出していった付加価値を、合算したものが、会社の利益を作っていきます。
逆に言えば、付加価値を付けられなければ、会社は利益を出せないし、継続していくことができません。
売上から、外部が生み出した付加価値を引いていったら、ゼロあるいはマイナスになってしまう、そんな会社が赤字の会社なのです。
さて、社員全員で生み出した付加価値を、社員にどれだけ還元しているか、それが、労働分配率です。
労働分配率=人件費÷付加価値
付加価値の中からは、人件費と経費があてられ、残ったものが、会社の利益になります。
先週も言いましたが、付加価値は、製造業以外であれば、売上総利益と置き換えても、いいと思います。
その方が、損益計算書を見れば、すぐわかります。
この付加価値をどのように分配するかは、業種や会社によって違ってきますが、1つの見方として、次のような分配率が考えられます。
付加価値 100
人件費 50
経費 35
差引利益 15
あくまで1つのモデルですが、理想的な配分ではないかと思います。
利益を15確保しておければ、かなり収益力の高い、つぶれにくい会社になります。
この配分をどのようにするかは、各社、自社に最適なモデルを考えてみてください。
利益は、10は確保したいですね。
利益を確保した上で、人件費と経費にどう配分するか、を考えるといいですね。
人件費の高い業種、たとえばコンサルタント会社など、人が商品の会社などは、人件費の割合が高くなります。
したがって、こういう会社は人件費に多く配分し、その代わり経費への配分をおさえる。
逆に装置産業、施設などを運営する会社などは、経費の割合が多くなってきます。この場合は人件費は、パートアルバイトなどを多く使い、人件費の割合を下げていく。
このように人件費と経費の配分を調整しながら、利益を確保していくのです。
したがって、自社の労働分配率は、何%になるのか、するのかこれを明確にしておくことが大事ですね。
これが明確になっていれば、月次や決算の損益計算書を見て、労働分配率が高い、低いが判断できるようになります。
労働分配率が高過ぎる場合は、人が多過ぎるのか、それとも生み出している付加価値が低過ぎるのか、というような検討につながっていきます。
ということで、付加価値とその分配率、損益計算書を見る時に、注意してみてください。
編集後記
明日は、私どもが主催するビジネス交流会。毎月やっていますが、あっという間に1ヶ月が経ってしまいますね。5月は連休もあって、何かバタバタ感が強く、明日の準備ちょっと心配 です。でも活気ある会なので、よろしかったら皆様もきてくださいね。→ http://www.tmbc.co.jp/
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