実践!社長の財務
B/Sがどうなっているかが「経営者の証」【実践!社長の財務】第547号
2014.04.28
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
4月も最終週です。
GWの狭間で、連休にしている人もいるのではないかと思います。
ただ、連休こそ遅れた仕事を取り戻すチャンス!とばかり、期待している人もいるかも知れませんね...(笑)。
是非、それぞれの連休を楽しんでいただければと、思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
B/Sがどうなっているかが「経営者の証」
先日、20代前半で会社を起業して50年ちょっと、70代前半の社長のお話(講演)を聞いてきました。
売上200億円以上、利益も20億円弱出しているすばらしい会社の社長です。
その社長が開口一番、話題にしたのは、製品や営業ではなく、財務のことです。
「会社を設立して50年、同業他社は40社近くあったが、今残っているのは、わずか2社です。その1社がうちです。」
会社は、30年~40年で98%がなくなる、のです。
倒産もあれば自主廃業もある、後継者がいなくてM&Aなどもあります。
いずれにせよ、わずか2%しか残らないんですね...。
そして、会社が残っていく基本となるのは、B/S=バランスシートだというのです。
B/Sこそが、会社の累積された業績であり、経営者の証なのです。
P/L=損益計算書は、一瞬の業績であり、やはり大事なのは累積された業績である B/Sだということを強調していました。
中でも大事なのは、「自己資本比率」であると。
正に、我が意を得たり、ですね(笑)。いつもこのメルマガで、言っていることです。
自己資本比率は、60%~70%を目指せと。
80%~100%というのは、お金の持ち方によるので、これは経営者の考え方による、ということです。
会社をやっていくと、本当にいろいろなことがあります。
景気や業界の盛衰や海外との関連など、社会全体のことであったり、社内でおきる様々な事件であったり・・・
会社はその度に大きく揺れ動いたりします。
これらを乗り越えて、会社を継続させていくのは並大抵のことではないのです。
だからこそ、利益を出せる時は目一杯出すことが大事です。
会社が生き残っていく源泉は、利益しかないのです。
そしてその出た利益は、内部留保を1番にすべき、ですね。
とにかく税金を払った残りは、内部留保が1番です。
これを、その社長もダム経営(松下幸之助の提唱した経営)がとにかく大事なんだと、強調していました。
昔まだ20代の頃に、独自製品がヒットしてやたらと儲かった時期があった。20代の頃ですから、外車は数台は買うは、贅沢はするわ、遊び回るはと、していた時期があったと。
自分1人でこれだけになったとうぬぼれてしまったわけです。
そうなると、先は長く続かない。数年後には業績が極度に落ち込み、そうなるとすべてが悪い方向に回り出すそうです。
税金の追徴→工場の火災→大手取引先倒産→労働争議・・・
これでもかと、事件が起こったのです。
正に、因果応報、自分の蒔いた種ですね。
社員に土下座して謝って、心を入れ替えて、何とか立ち直ることができたとのこと。
そこからダム経営をやってきたと。
利益が出た時は、ダムに水を貯めるように、とにかく税金を払って、その後の利益を内部留保にする。
そうしておけば、いざ、何かが起こった時には、貯まったダムの水が会社を助けてくれるのです。
現在は70%まで自己資本比率を上げることができ、ちょっとやそっとでは、倒れない会社になったとお話しいただきました。
私は経営はそれが一番だと思います。もちろん理念や社員を大事にすること、これは当然です。
でもそれと同時に、会社の中に資金のダムを作っていくことですね。
ちょっと長くなってしまいましたが、このメルマガではこれからも、そのような経営の応援ができるようなことを書いていきたいと、お話を聞いて強く思いました。
編集後記
GW皆様はどのように過ごしますか?冒頭に書いたチャンスを期待しているのが、実は私です(笑)。ということで、楽しいGWを過ごしていきましょう!
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