実践!社長の財務
回収に対する意識が甘い【実践!社長の財務】第569号
2014.09.29
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
9月も最終週ですね。消費増税による上半期、業種によって業績にずい分バラツキがあったような気がします。
落ち込んだ業種も、そろそろ回復傾向に向かってきているのではないでしょうか?
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
回収に対する意識が甘い
日頃から様々な中小企業を見ていて、回収に対する意識が甘いな、と思うところが多いですね。
入金期日に入金がなかったのに、気がつかない、そのままにしている、気がついた時には、相手の状況が悪くなり、入金が延び延びになる、挙句の果てには回収ができなくなる...
そこまで行かなくても、いつも回収で苦労しているのに、同じ状態のまま、という会社が多いのです。
貸倒れが多い会社は、常に上記のような問題が発生しているし、貸倒れが少ない会社は、やはり回収に関しては厳しく対応しています。
貸倒れを歓迎する会社などあるわけないでしょうから、やはり回収に関しては、きちんとした対応を取る必要があります。
まずは、意識の問題です。期日には必ず回収するという意識が、会社全体に浸透していなければなりません。
それだけ回収の重要さを理解するということです。
回収ができなければ、自分の会社が存在していくことができないのです。
いくら売上が上がっても、回収できなければ、仕入代金も払えないし、経費も払えない、ましてや自分たちの給料だってもらうことはできないのです。
そんなことは当たり前のことで、誰でもわかっていることです。でも、会社にはお金があって、自分たちは大丈夫、と思っているのです...。でも決してそんなことはありません。
まずそれを、社長をはじめ社員全体で、回収がなければうちはやっていけないんだよ、ということを共有することです。
その上で、ルールを作ることです。
まずは、入金期日を決めることです。いつまでにお支払いいただくか、ということですね。契約書があればそこに期限があると思います。
契約書がない場合は、請求書などに必ず支払期限を記載することです。信頼関係だからと言って、慣習でやるのは良くありません。
そして、入金期日には、確実に入金確認をすること。これはいくら件数が多くてもやらないといけないことです。
そこで入金がなければ、どうするのかを決めることです。
その日の何時までになければ、あるいはその日中になければいつ、誰が、どのように連絡するのか、そういうことを決めることです。
そこで、どのように言うのか、最初はどのような対応をするのかも決めます。
その上で、次の期限までに入金がなかった場合にはどうするのか、そういうこともすべて決めておきます。
このようなルールを作っておけば、何をするかが明確であり誰かがやらなかった場合には、すぐに指摘、指示をすることができます。
これがあいまいだと、その都度どうしようか? と考えたり会議をしたりすることになってしまいます。
回収はやはり、スピーディーに対応することが大事です。
ルールを決めておき、そのルールに従って、素早く連絡をし粛々と対応していきます。
早目にやっておくことは、先方にとってもいいことなのです。
単に忘れているだけかも知れませんし、若干資金繰りが厳しいのかも知れません。しかし、ほっておくと先方も後で支払うのが厳しくなったり、払わなくてもいいか、などと思ったりしてしまいます。
無用なトラブルになったり、挙句の果てには法的手段を取られたり、ルーズになってそれこそ、倒産の道にまっしぐらになるかも知れません。
相手をルーズにさせないためにも、すぐに言ってあげる方がいいのです。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、回収をきちんと厳しくやるというのは、会社を経営していく、とても基本的なことなのです。
是非、今一度御社の回収に関するルールを見直してみてください。
そして、そのルールが厳格に運用されているかどうか、それも見直してみてください。
編集後記
今日書いたことは、うちの税理士法人でも常に問題になることです。顧問料などは請求書を出しませんし、当初の契約書だけで信頼関係でお支払いいただいているので、未収管理が甘くなってしまうことがあります。ましてや相手の財務状況をよく知っているだけに苦しさもわかったりして・・・なんて甘いことではいけないですね...(笑)。
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