実践!社長の財務
お金を使う勇気【実践!社長の財務】第572号
2014.10.20
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
税務調査真っ盛りの季節ですね。先週、今週と税務調査の立会いに追われています。
今週も気を引き締めて、行かないと!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
お金を使う勇気
最近、相続税の申告や遺言を書くお手伝いの仕事が、結構多くなっています。
相続税の申告や遺言をするわけですから、それなりの財産を持っている方です。
それだけの財産を作り上げてきたことは、すばらしいことなのですが、そういう状況を見ていると、ちょっと思うことがありますね。
なぜ、こんなにたくさん現金を遺しているんだろう...と。
もう少し使っても良かったんじゃないかなあ...ということです。
先日も、90歳以上のご夫婦の遺言のお手伝いをしましたが、お2人合わせると、数億円の預金や上場株式、投資信託を持っています。
もう90歳以上ですから、そう使えませんよね。そして、お2人ともとても元気。頭も冴えています。
ただ、やはり足腰が弱っているので、旅行などはもうちょっときつい感じです。
それだけのお金を持ちながら、住んでいる家は頑丈ではあるけれど、かなり古くなっていて、決して贅沢な暮らしをしているわけでありません。
お手伝いさんなども頼むこともなく、今も節約してつつましやかな生活をしています。
奥様曰く、「タクシーなんか乗ったこともない。もったいないから。一生懸命こつこつ貯めてきたら、こんなになっちゃった。不思議だよねぇ...」
なんて言っています。本当に正にそのとおりなんでしょうね。
確かにご主人と共に、がんばってきたんでしょうが、何のためにお金を貯めているんだろう...もっと、使ったら良かったのに...と思ってしまいますね。
結局、遺言も子供たちにどうあげるのか、ということになります。争いにならないようにと...。
ただ、子供と言っても、もう60代半ばですが...。
お金を貯めた結果、子供たちの争いを心配しているのでは、余計に何のためにこれまで...という気が増してしまいます。
その他にも、相続税の申告業務をしていて、70歳位で亡くなられた経営者ですが、一生懸命働いてきただけで、かなりのお金が残りましたが、結局自分で使わずに逝ってしまったケースなんかも、何か虚しさを感じてしまいますね。
本当に、世のため社員のため頑張ってきたのに...。
ある程度お金が貯まると、使うのが怖くなる、減ってしまうのが怖くて使えなくなる、ということがあるのではないかと思います。
特に、引退して、もうこれ以上は増えないとなると、将来のことを考えるととても使えない、ということがあるのではないでしょうか?
お金を貯めてきた人は、心配性の人が多いので、より強くそのような傾向があるような気がします。
お金はいくら持っていたらいいのか、というのは難しいことではありますが、どう使うのか、使いたいのか、ある程度は決めて、それを実行していく勇気、みたいなものを持つことも大事なのでは、ないでしょうかね...?
編集後記
日曜日は母校のホームカミングデーでした。卒業生が年に1度大学に戻ってくる日です(私は毎月戻っていますが(笑))。
本当にいい天気で、皆でカレーを売ったのですが、1時過ぎには完売! 去年の大雨-中止-売れ残りとは、雲泥の差でしたね。 とっても気持ちよく打上げを行うことができました。
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