実践!社長の財務
投資をしながら節税をする【実践!社長の財務】第675号
2016.10.10
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
10月に入り、急に涼しくなってきた感がありますが、ノーネクタイに慣れてしまって、なかなかネクタイをする気になれませんね。
まあ、一応10月一杯はクールビズが許されるのでは?と勝手に思っていますが…(笑)。
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
投資をしながら節税をする
今日は体育の日で休みでもあり、財務というよりも個人の投資の話をします。
投資をしながら、節税もできてしまう商品(制度)があるのはご存知でしょうか?
意外と知らない人が多いようです。
それは、個人型確定拠出年金です。401kとかDCとか言われますが、それであれば聞いたことある方も多いと思います。
これは、字のとおり拠出額が確定している年金です。
すなわち、掛金として拠出する金額は決まっていますが、年金としていくらもらえるかは、運用次第で変わってくる、という年金制度です。
これには、法人型と個人型があります。
法人型は、会社が制度として導入しなければ利用できませんが、個人型は、個人が自由に選択して、加入することができます。
取扱いは、銀行、証券会社、保険会社などで行っています。
では、どこが節税になるのかというと、制度利用の各段階において税制優遇措置が設けられているからです。
まず、拠出段階においては、その支払額全額が、所得控除することができます。
たとえば、月2万円拠出すると、年間24万円が小規模企業共済等掛金控除として、所得控除されます。
税率が所得税10%だとすると、住民税は一律10%ですので、合わせて20%、24万円×20%=4.8万円/年 節税することができます。
これが掛けている間続くわけですから、大きいですね。
所得が上がれば税率も上がりますので、さらに大きくなります。
また、投資商品の運用益は非課税となり、その分再投資に回すことになります。
さらには、将来受け取った時も、税制優遇があります。
一時金で受け取れば、退職所得扱いで、退職所得控除を引いたのち、1/2課税になります。
年金で受け取った場合は、雑所得となり公的年金控除を受けることができます。
まさに、隠れた税制優遇商品ですね。
この個人型確定拠出年金、今までは、自営業者や企業年金等に加入していない方だけが、加入対象でした。
これが平成29年1月からは、企業年金に加入している方や、公務員、さらには専業主婦なども加入できるようになります。
言ってみれば、すべての人が対象になる、ということですね。
ただし、掛金の限度額が次のように決まっています。
自営業者 年間81.6万円(月6.8万円)
企業年金がない方 年間27.6万円(月2.3万円)
企業年金がある方 年間14.4万円(月1.2万円)~24万円(月2万円)
専業主婦など 年間27.6万円(月2.3万円)
この範囲で、掛けることになります。
なお、対象は60歳未満です。
また、自営業者は、小規模企業共済(年間84万円まで)も併用することができますので、両方やればかなりの節税になりますね。
なお、小規模企業共済の方は年齢制限はありません。
ただし、デメリットもあります。
まず、原則60歳までは、途中引き出しができないこと。
銀行、証券会社等の手数料がかかること。
そして、投資ですから運用が不調であれば年金額が減ってしまう
こと、などがあります。
運用商品は、選択肢の中から自分で選ぶことができますから、自己責任において、せっかくの税制優遇制度を活用してみてはいかがでしょうか?
編集後記
週末は妻と山形に行ってきました。ラスクで全国的に有名になったシベールさんの「シベールアリーナ」で、娘がオランダで師事している先生のコンサートがあるということで、行ってきました。
4人のバイオリニストによるすばらしいコンサートでした。
残念ながら日帰りでしたが、行き帰り飲みながらで、結構疲れましたね(笑)。
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