実践!社長の財務
スピードと徹底【実践!社長の財務】第682号
2016.11.28
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
11月も最後の週です。今年の税制改正は12月8日頃発表されるようですが、ずい分先送りになる項目が多いような気がします。
目玉は配偶者控除、タワーマンション節税封じ、海外関連を使った個人法人の節税封じ、などですかね。
本当にあっという間に12月、来年となる感じです。
体調には十分留意して、年末を乗り切っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
スピードと徹底
先週、あの日本電産で買収会社の再生を何社もやり、今はコンサルタントをしている川勝宣昭氏のセミナーを聞いてきました。
正直、もの凄い内容でした。
日本電産と言えば、M&Aでも有名ですが、その規模は売上高1兆円を超え、連結でも10%以上、15%くらいの営業利益をたたき出しています。
しかも、買収する会社は赤字の会社だったり、グループのお荷物だったりする会社を買収しながらです。
それで連結で、10%以上ですから、これは驚くべき数字です。
永守重信社長の、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる!」という言葉は有名です。
正に、M&Aであってもそのとおり、1年で単黒にせよ、という特命で再生に派遣されたそうです。
その会社再建のポイントは、「スピードと徹底」だそうです。
これができていない会社が多い。
だから赤字になる、いつまでたっても黒字に転換できない、ということです。
再建の主なポイントは、次のようなことでした。
1.意識改革
2.スピード
3.営業の機関車化
4.ダントツのコスト追及
5.損益の週次管理
まずは、何といっても社員の意識改革。これなくしては、会社再建の具体的な手法は始められません。
稲盛和夫氏がJALを再建した時も、最初にやったことはこれです。幹部50人を集めてフィロソフィ教育を徹底してやりました。
これだけで、すぐに黒字に転換したくらいです。
上記5つのポイントの内、コスト追及について、参考になるところをお伝えします。
・材料費・外注費:徹底したネゴ交渉 → 5段階ネゴ稟議
※担当→課長→部長→役員→社長 とネゴを重ねていく
それによりドンドン下がっていく
※互恵主義 自社だけでなく相手の利益も考え・・・
・電気代:ライン別管理 1週間ごとに管理
・残業代:残業キップ制 予算に基づきあらかじめ残業キップを発行
・経費:経費稟議制 社内にネゴが当たり前の風土を作る
・設備費:5段階ネゴ稟議制
・間接人件費:多能工化、人事異動制度
とにかく、徹底してやる、ということです。
VAなど様々なな原価低減手法よりも、最も効くのは「ネゴ」だと強調されていました。
そして、上記にも書きました損益の週次管理、これは究極のPDCAだと。
毎週やることにより、月末にはかなりの確度で予算に合わせていくということです。
ご興味ある方は、プレジデント社から同氏の新刊が出ましたので、お読みいただければ、今回のセミナーで話された内容が多く書かれています。
「日本電産永守重信社長からのファックス42枚」
著者:川勝宣昭氏 プレジデント社 1,600円+税
編集後記
そろそろ忘年会の時期になってきますね。今日は今年の忘年会第1号に参加してきます(笑)。3日連続くらいになるとつらいので、なるべくそうならないよう、調整していきたいのですが、さて今年はどうでしょうか...
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