実践!社長の財務
売上で10%、利益で30%【実践!社長の財務】第696号
2017.03.06
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
3月に入りました。このところ確定申告三昧になっていますがそれも後1週間ちょっとですね。
だんだん春めいてきて、申告が終わった後の打上げ、まだ花見は早いかも知れませんが、楽しみですね!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
売上で10%、利益で30%
上記の数字は、何の数字だかわかりますか?
これは上場会社が発表した業績予想が、上記の割合以上に乖離することになった場合には、業績予想の修正を開示する必要がある、ということです。
よく言われる「下方修正」ですね。その基準です。
先日、将来上場を目指していこうという会社の取締役会に私も参加していました。ちょっと今期は調子が悪く、今期決算の利益は計画の50%程度か、というような話になりました。
まあ、特殊な要因もあって、しょうがないよな、という雰囲気だったのですが、上場を指導するコンサルタントが一喝!
「こんなことでどうするんですか!?上場していたら、これは下方修正を発表しなくちゃいけませんよ。大体、計画の精度が低すぎますよ。これではとても上場維持できませんね!」
一瞬、場は凍り付きました。
確かに計画は立てて、毎月実績対比はしていますが、あくまで数字上やっているに過ぎない。
絶対に達成するという強い意志で計画を作り、その達成に向かって全社一丸となっているかというと、そこまでではない。
そのようなPDCAの仕組みもできていない...。
やはり上場して、発表した業績予想を確実に実行していくにはまだまだほど遠いな、という思いが皆の内に湧き出たのだと思います。
上場と言うと華やかな明るい未来のように思いますが、決してそうではなく、「言ったことを責任をもって実行する」というつらく苦しいことに、チャレンジすることなんだなと思います。
売上で10%、利益で30%ぶれたら下方修正なんだ、世間に恥をさらすんだ、という厳しい姿勢で臨むからこそ、目標達成度合も高まる、会社も成長するんだと思います。
マスコミなどは、下方修正常習ランキングなんかも発表してますからね...ホント恥さらしになってしまいます。
上場するにはそれだけの覚悟がいりますが、上場しなくても、そのような覚悟を持ってやっていくことは、重要だと思います。
目標が達成できない要因はたくさんあります。外部要因も多いでしょう。でも一番の要因は、自分たち内部要因にあるはずです。
目標を達成するには、それなりの自己管理、しくみが必要です。
世間に恥をさらさないだけマシだと思い、でも上場会社と同じ基準を意識して、その仕組みづくりに是非、励んでいってもらいたいと思います。
編集後記
共同で事業承継の本を企画していましたが、問題がありちょっと延期・・・ちょうど4月から事業承継税制や自社株評価も変わってきますから、それらも取り入れた本を作っていきたいと思っています。それにしても、新しいものを産み出していくのは、様々なハードルがありますね...と最近痛感!
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