実践!社長の財務
加算税の加重措置に注意!【実践!社長の財務】第697号
2017.03.13
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
WBC日本、もの凄い死闘でしたね。
でも、勝って本当に良かったです。それにしても長かった...
ということで、本日は時間もなく、早速本文に入っていきたいと思います。
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
加算税の加重措置に注意!
税務調査があると、何らかの指摘があって、修正申告することは多いものです。
よく「おみやげ」だなどと言って、意図的に指摘されるような事項を作っておいて、それをさも残念そうに修正に応じて、調査を終わらせるなど、やる会社がありますね。
昔はそんなことをやる会社、税理士が多かったようですが、そんなことをする必要はまったくないと思います。
むしろ今後は害になってきます。
それは、今年から加算税の加重措置が行われることになったからです。
2017年1月1日以降に申告期限が到来する法人税などの国税が対象になってきます。
過去5年以内に、期限後申告による無申告加算税や、修正申告で重加算税をかけられていた場合には、
再度、これらの加算税が課されることになると、10%これらの税率が加重されることになります。
無申告加算税が、税額50万円を超える部分は、20%が30%に、重加算税にいたっては、現在35%が45%にもなってしまいます。
修正申告で納める税金が、本来納めるべき税金の1.5倍近くにもなってしまうのですから、大変な負担になります。
無申告加算税というのは、期限内に申告をしなかった場合に課されるものです。
ちゃんと期限を守っていればこれはないのですが、だらしのない会社などは、本業が忙しいからといって平気で遅れたりすることがあります。
本当に意識が低いので、これは論外です。
問題は、重加算税の場合です。重加算税は、仮想隠蔽があった場合の追徴税額に課されてきます。
この仮想隠蔽というのがちょっとあいまいで、調査官や税務署ごとの判断でかけられてしまうことが多いのです。
金額が少ないからといって、税務署の言うとおり安易に重加算税を認めてしまうと、今後は大変なことになります。
万が一5年以内に、再度重加算税をかけられてしまった場合には大きな負担になってきます。
ですから安易におみやげなどはしない方がいいです。
見解の相違というのは、よく言われる言葉ですが、その見解の相違によって、税務署に重加算税事案にされてしまうこともあるからです。
またこの重加算税は、経営者だけの問題ではありません。
以前に顧問先で、従業員がメールで、「期末までに納品しなくても請求書だけ先にください。」とやり取りしており、それを見つかってしまい、仮想隠蔽ということで重加算税になったことがあります。
決して税金を逃れようとする意図ではなく、資金繰り上だったのかも知れませんが、事実と違う書類を作ってしまったことには違いありません。
そのように、社内に重加算税のもとになるような意図しない仮想隠蔽もあるかも知れないのです。本当に注意しないといけないですね。
そのようなことから、今回の加重措置、一度そういうことがあると、5年間かなり気を使うことになりますので、十分注意をして欲しいと思いますね。
編集後記
いよいよ確定申告も残り3日。ようやく自分の申告をやろうかなという気持ちになってきました。忙しいのもあるのですが、やってもいつも追加で払う申告になるので、なかなかやる気がしない...顧問税理士がいたら怒られそうですが(笑)。
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