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実践!社長の財務

創業者が親族外承継をしていく場合【実践!社長の財務】第712号

創業者が親族外承継をしていく場合【実践!社長の財務】第712号

2017.06.26

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

ちょうど今の時分、一番日が長い季節ですね。朝も早くから日が昇っていて、朝起きるのも気持ちがいいですね。

やはり起きた時、暗いのとは大違いです。

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。

創業者が親族外承継をしていく場合

このメルマガでは、財務から強い会社・儲かる会社を作っていこう、ということで毎週書いています。

いただくメッセージなどを見ていると、本当に皆様に真剣に、本気で頑張っている経営者が多いなと、思います。

そういう思いを共有しながら、これからも書いていきます!

そうやって辛抱強く、継続して、本気でやっていれば、必ず会社というのは良くなるのです。ならなければ、まだまだ何かが足りない、ということですね。

そうしてふと気づくと自社株の評価は、非常に高くなっています。それはそれで、頑張ってきた証拠でいいことですが、こと事業承継に関しては困ってしまいますね。

株価が高いとなかなか承継していくのが難しい、税金がかかってしまう、かと言って株式を承継するだけでは、現金がないので税金が払えないからです。

子などの親族で承継してくれる人がいれば、それはそれで様々な方法があるし、創業者としても譲りやすいので、まだいいです。

親族で継がせる人がいない、あるいは、親族には継がせたくない、という場合もあります。

そうなると一番の候補は、役員や社員、ということになってきます。役員や社員で候補がいれば、事業の内容も知っているし、能力や性格などもわかっています。

やっていけるのかどうか不安があっても、創業者がいれば、まずは一定の地位につけて、自分がフォローしていけばいいのです。

その上で大丈夫だと思えば、全面的に譲っていけばいいのです。

ただし問題は、株式の承継の問題です。これは本当に厄介ですね。

同族株主以外の者へ自社株を贈与したり、譲渡する場合は、一定株数までは、配当還元方式で低い価額で行うことが可能です。

であれば、株式承継も難しくないと思われるかも知れません。

ただ、創業者も会社を親族以外に渡していくとなれば、ある程度の創業者利益を得たいと思うでしょう。

それは当然のことです。

ゼロから会社を立上げてきて、全財産、全時間をつぎ込んで、苦しい時も乗り越えてきた、その結果今のすばらしい会社があるわけですから、創業者がそれ相応のゲインを得るのは、自然なことです。

創業者利益の配分は、一般的には株式の譲渡と役員退職金で行われることになります。

役員や社員への承継であれば、一部株式の贈与などもまじえてその3つをうまく組み合わせて承継していくことを考えていきます。

ポイントは時間をかけて行っていくこと、株式の承継などは、できるだけ複数の人に行っていくこと、です。

とは言え、役員や社員に株式を買い取ってもらう、というのはなかなか大変なことです。

それ程給料だって多く払ってきたわけではないでしょうから、買取る余裕資金などないのは、社長が一番知っているでしょうね…(笑)。

そこで検討したいのが、役員報酬や給与、賞与、役員であれば事前確定届出給与の活用です。

これらの給与賞与に、株式買取り資金を上乗せしてあげるのです。したがって、もちろん所得税等もかかりますが、ネットの金額を株式購入資金にあててもらうのです。

ただ、月次の役員報酬や給与に上乗せしてしまうと、生活費と一緒になってしまいますので、賞与などの方がいいですね。

特に役員に対しては、期首に事前確定届出給与を決めて、税務署に届出をすることによって、損金に落としながらやっていくことが肝要です。

そうでないと法人税等まで負担しながら、承継していくことになってしまいますので。

このようなことを、できれば10年くらいかけてやっていくことです。

いわば潤沢な会社の内部留保を活用しながら、事業承継を行っていく、ということです。

親族内承継ができないと、役員や社員への承継、でも株式を買い取れない...では、仕方ないからM&Aという傾向もありますが、まずは上記のような方法も含め、役員や社員に承継していく方法を考えて欲しいですね。

編集後記

昨日から甲府に来ています。ですので今は甲府のホテル内で書いていますが、早急に送ったあとすぐに帰らないといけません。

午後からまさに本日のテーマの事業承継セミナーをやりますので遅れたら大変。ということで、早速、行動に移ります。今週も頑張っていきましょう!

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