実践!社長の財務
赤字部門を真剣に評価する【実践!社長の財務】第716号
2017.07.24
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
あまりにも雨が降らなかったので、天気予報を気にしていませんでしたが、いつの間にか梅雨明けしていたんですね(笑)。
暑い夏に負けないよう、しっかり頑張っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
赤字部門を真剣に評価する
創業100年以上の老舗企業というのは、日本では約3万社あると言われ、全企業数の約1%ということになります。
これが多いのか少ないのか、世界では日本がNO.1だそうです。200年以上の企業になると、その半分近くは日本の企業とのことです。
また、ちょっとビックリしたのは上場企業の内、15%が100年以上の企業だということですね。
若い企業がどんどん上場しているイメージが強いですが、老舗企業もTOP企業にかなりあるんだな、ということです。
でも、残り85%は、創業100年以内の企業か...と思うと、新しい会社が上場していくチャンスはたくさんあるな、という感じがしますね。
ただ、歴史が古い企業になってくると、なかなか創業時の事業を変えられない、という会社が多いように思います。
創業から3代目、4代目になってくると、創業事業を継続して発展させていくことが使命となってきます。
ただし、部門別損益は当然やっているでしょうから、創業事業、その後に始めた事業などの損益は一目瞭然になります。
それぞれの部門の事業が黒字であれば問題ありませんが、やはり時代を経過してくると、創業時の事業は当然、今の時代に合わなくなってきます。
それに対応していくのが経営なのでしょうが、伝統を重んじるあまり、なかなか変えられないものも多いものです。
そうなると創業事業の赤字を、他の部門がカバーして、全体として何とか黒字にしている会社も多いのではないでしょうか?
そんな時、赤字を補填している黒字事業は、不動産賃貸業であることが多いですね。
昔に買った不動産が収益を産み出しているのです。
それがあるからこそ、創業事業を続けていけている、という企業は私もいくつか知っていますし、恐らく相当多いのではないかと思います。
その範囲で伝統事業を継続してことは、それはそれで意味もあることですが、私は厳しい評価が必要だと思います。
本当にそれでいいのか?不動産事業があるから、本業の改革に真剣さが足りず、本気で変革することができていないのではないか?
それをどこまで突き詰めているか、ですね。
これは老舗企業に限ったことではありません。
せっかく部門別損益を出しているのに、赤字であっても真剣に検討せず、ヘタをすると集計方法がおかしいのではないか?
などと、トンチンカンな方向に行ってしまうこともあります。
部門別損益で赤字になっている部門があるのであれば、しっかりとそれを評価し、期限を区切って、改善策や抜本的な改革を考えていかないといけないですね。
数字を信じ、数字に真剣に向き合う経営をして欲しいですね。
編集後記
先週金曜日は、娘が主体で熊本震災の第2回チャリティーコンサートをやりました。家族・近所総出で受付から何からやりましたが、140名もの大勢の皆様に集まっていただき、本当にありがたいことです。翌日しっかり皆様の浄財を熊本に届けてきました。
とは言えまた、九州北部の水害などもあり、本当に災害に終わりはないですね。一人ひとりができることをやって、助け合っていかないと日本はやっていけない国なのだなあと思います。
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