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実践!社長の財務

労働分配率から検証する【実践!社長の財務】第722号

労働分配率から検証する【実践!社長の財務】第722号

2017.09.04

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

9月になりました。この2日間、東京は急に朝など涼しくなりましたね。

当社は9月から新年度です。新年度の初めは、正月みたいに何か、すがすがしい新たにやる気が湧いてくるような気分になります。

また新たな計画の成就に向かって、スタートしていきたいと思います。

ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。

労働分配率から検証する

皆様の会社でも、新年度が始まる前には、経営計画・利益計画を立てられると思います。

その際、目標売上や目標利益などは、どのように決めているのでしょうか?

1つの方法として、労働分配率から検証する、逆算して売上目標を決めていく、というやり方があります。

計画を決める際、最も決めやすい数値は何でしょうか?

それは人件費や経費です。特に人件費は、自社の中で来期の方針や、それに基づく採用計画、賃上げ率などを検討していけば、自ずと計画値が出てきます。

売上は当然、お客様という相手があること、景気の動向や同業他社の動き、異業種からの参入、新製品の登場など、予測できないことがたくさんあります。

したがって、まずは来期の人件費を出してみます。
それを労働分配率で割り戻せば、必要な粗利益が出てきます。

ちなみに、労働分配率は難しい計算ではなく、人件費の粗利益に占める割合、という簡単なものでいいです。
(製造原価がある業種は、若干違ってきます)

粗利益(売上総利益)の何%を、人件費に配分するか、ということですね。

これは業種業態や、会社の経営方針によって、何%を目指すのか、ということは違ってきます。

したがって、自社の労働分配率は、何%が適正なのか、何%を目指すのか、ということを、まずは持つことが大事です。

適正な労働分配率が決まれば、人件費÷労働分配率 で必要な粗利益が出ます。

粗利益が出れば、それを自社の目指すべき粗利益率で割り戻せば、必要な売上高が出てくるわけです。

複数の事業部や商品、サービスなどがあれば、その粗利益を、どの部門でいくら持つのかを配分して、それぞれの粗利益率で割り戻していきます。

それらを合計すれば、全体の売上高は出てきます。

その上で、粗利益から人件費、経費の計画値を引いていけば目標利益が出てきます。

その利益額によっては、経費を見直していくことになります。

いずれにせよ、人件費から始めて、粗利益や売上高、経費の目標値を決めていく、このような方法も、是非、参考にしてみてください。

特に、設備やシステムで利益を上げるのではなく、人が中心になる業種では、このような方法は向いているのではないでしょうか。

編集後記

週末は、新年度の経営計画会議に向けて、これから1年やるべきことなどをいろいろ考えていました。やはり区切りがあるというのはいいものです。区切りがないと、ダラダラ続いてしまいますからね。1年がいいのか、もっと短い方が活性化するのか、年度の中でいろいろ試してみるといいのかも知れません。

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