実践!社長の財務
5年あればかなり変えることができる【実践!社長の財務】第744号
2018.02.05
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
2月になりましたね。一番短い月であり、2月と8月は売上が落ちる会社が多い...などと言われますが、どんな業種でもやり方によっては、決してそんなことはないと思います。
是非、今月も目標達成に向け頑張っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
5年あればかなり変えることができる
ちょうど今は、12月決算・申告の真っ最中です。
12月決算の会社は、3月決算の次に多いですから、今の時期は会計事務所、税理士法人にとっては、かなり繁忙期です。
確定申告ももう始まっていますし、1、2月の稼働日数は少ないし...。
そんな中、12月決算の会社の決算書を見ながら、結構変わってくるものだなあ...と思って見ています。
特に貸借対照表(B/S)ですね。
損益計算書(P/L)は、毎期毎期がゼロからのスタートですから、毎期違ってくるのは当たり前です。
それに比べるとB/Sは、会社設立以来の数字の積み重ねですから、そう簡単には変わってきません。
自己資本比率(純資産÷総資産)を上げようとしても、余程の財務リストラをやらない限りは、急激には上げることはできません。
設立間もない会社なら別ですが、ある程度の年数も立ち、会社もそれなりに大きくなってくると、簡単には変わらなくなってきます。
とは言え、時間をかければ結構変わってきます。
ある会社などは、売上6億円くらいで借入金が3億円もあったのに、今回の決算ではついに無借金になりました。
自己資本比率も、驚くほど改善しています。
でも、これには7~8年かかっています。
また、ある会社はリーマンショック後、債務超過に陥りましたが、今回の決算で自己資本比率が20%くらいまで回復してきました。
決して高い比率ではありませんが、元々プロジェクト型借入金を多く使う業種ですので、自己資本比率は低めです。
リーマンショックは、2008年ですから、そこから10年近くかかったわけです。
リーマンショック後、繰越欠損金の繰越期間が、7年から9年に延ばされましたので、それをフルに活用して、自己資本を積み上げてきました。
(その間、繰越欠損金があれば税金を払わなくてよいので)
ちょうど9年間使い、今年で期限切れになります。使いきれるかどうか…。
払う時は払うけれども、苦しい時は税制の恩恵もフルに活用し、財務を改善していくことが大事ですね。
上記はそれなりに長いですが、様々な会社を見てきている経験からすれば、5年間あればB/Sはかなり変えることができると思います。
青色吐息だった会社も、5年も経てば、ピカピカの会社になっていることも多いのです。
1年1年だと、毎年、大して変わりはないのですが、5年前と比較すると、劇的に変わっていることがありますので、これは不思議ですね。
それだけ、毎期毎期の積み重ねが大事だということです。
毎期毎期、目標を達成しようと必死になってやっていたら、いつの間にか、すばらしい財務内容の会社になっていた、というようになるのです。
是非、御社も、5年前の決算書と今の決算書を比べてみてください。
特にB/Sです。どのくらい変わっているか...。
全体を見て、さらに科目内訳など内容もみると、どれだけ頑張ってきたか、ということがわかると思います。
それがまた、次の5年への活力にもなるはずです。
編集後記
実は息子が結婚しました。結婚式はまだこれからですが、昨日はうちのお客様が紹介してくれた新居に、妻と引越のお祝いに行って来ました。新築のアパートということで、コンパクトではありますが、とても機能的な家で、なかなかいいですね。会社の社宅制度も使えるようで、そのために入籍を早めた(笑)ようですが。2人で幸せな家庭にして欲しいですね!!
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