実践!社長の財務
1社依存度が高くならないように【実践!社長の財務】第778号
2018.10.01
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
昨晩の台風、すごい暴風雨でした。
窓に打ち付ける雨の音がすごく、滅多に閉めないのですが、雨戸を閉めたり。
でも、逆に音がうるさくなり、眠れなくなったり、ちょっと今日は睡眠不足の感がありますね。
皆様のところは大丈夫でしょうか?
では、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
1社依存度が高くならないように
皆様の会社では、最も多い得意先の売上は、全体の何%を占めますか?
この割合は、会社を安定して継続していくためには、非常に重要です。
30%を超えているようだと、要注意です。
多くても20%以内に、できれば10%以内にしておくことが理想的です。
1社に依存度が高ければ、万が一その得意先との取引がなくなった時に、大きな痛手を被ります。
売上の70%も80%も、1社に依存しているようだと、その会社との取引がなくなれば、そのまま継続していくことは、ほぼ不可能でしょう。
そのような会社がたまにありますが、口を酸っぱくして、今すぐ何とかしないといけない、と言いますが、そこまで依存度が高いと、意外と危機感がないようです。絶対に面倒見てくれると...。
ただ、経営者が次代に変わったりすれば、あっという間に見直されるかも知れません...。
売上が、ある割合下がっても、赤字にならない割合を、経営安全率といいます。
売上が20%下がっても、損益はトントンで赤字にはならない、というのであれば、経営安全率は20%ということです。
たとえば、
売上 100
粗利 50(粗利50%)
販管費 40
利益 10(利益率10%)
という会社の場合に、売上が20%下がったらどうでしょうか?
次のようになります。
売上 80
粗利 40(粗利50%)
販管費 40(変わらず)
利益 0
売上が20%下がっても、利益はちょうど0になる、ということです。したがって、この会社の経営安全率は、20%ということですね。
経営安全率の求め方は、利益(経常利益)÷粗利 で計算することができます。まずは、自社の経営安全率を求めてみてください。
上記の会社は、利益率が10%あるから、売上が20%下がっても大丈夫、ということです。
これが利益率は5%しかなかったら、売上が10%以上下がると赤字になってしまいます。
実際には、5%程度の経常利益率の会社が、多いと思います。
だから、1社あたりの売上が、10%を超えてしまうと、その売上がなくなれば赤字になりますので、1社10%以内にしておくのが、理想的ではないかということです。
いずれにせよ、1社依存は本当に怖いです。先日もそのような会社で、お客様からの発注が激減した、との話を聞きました。
何とか黒字を保てたのですが、その会社は利益率が10%以上あったからなのですね。
1社依存を下げると共に、高い利益率、経営安全率を保っておくことが、本当に重要だと思います。
編集後記
週末は山口、福岡に行ってきました。ある勉強会の合宿も兼ねてということですが。ちょうど台風が迫って来ていて、急遽1日早めて帰ってきましたが、大正解でしたね。まあ、東京で台風に追いつかれましたが。
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