実践!社長の財務
経営者保証なしで借入れできるように【実践!社長の財務】第779号
2018.10.08
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は休日のため、朝ゆっくりしてしまいました。
では、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
経営者保証なしで借入れできるように
皆様の会社では、銀行借入金について、経営者保証がついているでしょうか?
多くの会社の場合には、経営者が連帯保証することによって、借入れをしていることと思います。
業績が好調であったとしても、いつ何時どんな不測事態が起こるかわからず、経営者にとってみれば、連帯保証は常に心の重みになっているのではないかと、推測します。
そんな経営者保証、できればはずしたいものですね。
実は、平成26年2月から「経営者保証に関するガイドライン」というものが運用されており、それに沿っていけば、経営者保証をはずすことも可能なのです。
このガイドラインは、金融庁と中小企業庁の後押しで、日本商工会議所と全国銀行協会がまとめたもので、実際にこれによって、経営者保証がはずされた例も多くなっています。
では、どのような場合に経営者保証をはずすことができたり、経営者保証なしの新規の融資を受けられるのでしょうか?
基本的には、次の3つの条件が必要となります。
1つ目は、法人と経営者の関係の明確な区分・分離をする、ことです。すなわち、公私混同を廃する、ということですね。
経費や資産などの公私混同はもちろん、役員報酬・賞与・配当、社長貸付など、会社と経営者間の資金のやりとりを、社会通念上適切な範囲を、超えないようにする、ことが必要となってきます。
2つ目は、財務基盤を強化すること、です。
連帯保証なしで融資するわけですから、当然、会社の財務基盤がしっかりしていないと、認めてもらえません。
財務状況や業績の改善を通じた返済能力の向上に取り組み、信用力を強化することは、当然、求められることです。
より具体的には、当期の収益によって、借入金の返済が十分行われていることが、必要です。借入の返済をするために、借入をするような状況では、経営者保証ははずせないでしょう。
3つ目は、経営の透明性、適切な情報開示をする、ということです。
自社の財務状況を正確に把握して、金融機関などからの情報開示要請に応じて、資産負債の状況や事業計画、業績見通しおよび、その進捗状況などの情報を正確かつ丁寧に説明することが求められています。
また、情報開示は、公認会計士や税理士などの外部専門家による検証結果と合わせた開示が望ましい、ともされています。
以上3つが揃うのであれば、経営者保証をはずしてもらえる可能性は高いと思われますので、そのような会社は、是非、それにチャレンジして欲しいと思いますね。
それ以外の会社も、上記のような状況を目指して、銀行との対等パートナーの関係で取引をしていけるようになって欲しいと思います。
編集後記
週末は、母校で税務会計学会が開かれており、実務家である私たちも参加してきました。
普段は、実務的なセミナーはよく受けますが、税務や会計の研究や分析、考察などの話は、非常に難解で、途中から何について言及しているのかわからなくなる程でした。
でも、たまにはこのような学問としての税務会計の話を聞いておくことも、いい刺激になりますね。
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