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中国スマホ銀行にみる驚愕の融資方法【実践!社長の財務】第823号

中国スマホ銀行にみる驚愕の融資方法【実践!社長の財務】第823号

2019.08.12

先週は付加価値のことを書きましたが、会社として付加価値を高めていくのであれば、できるだけ人を減らして、コンピュータやAIにできることは、すべて任せていくことも1つの方向性です。

先週末の日経新聞に、中国のスマホ銀行の記事が出ていました。

アリババとテンセント傘下のスマホ銀行の融資対象は、何と1億人を超え、貸出残高も1,700億元(2兆5,500億円)にも達するそうです。

しかもこの4年間くらいで、ここまで急成長しています。

中国はご存知のとおり、日本とは比べものにならないほど、スマホ決済が普及しており、アリババ、テンセントともに利用者は10億人規模もいるとのことです。

高齢者と子供以外は、ほぼ全員が両方のアプリをスマホに入れている状況であることから、スマホ銀行が急速に伸びています。

アリババは、融資手続きを「3・1・0」とうたっています。

すなわち、借りたい人が必要事項を入力するのが3分、審査はAIが1秒で下し、人手はゼロ、という意味だそうです...。

その上で3分以内に着金し、3年後には路傍の物売りでも、1秒で借りられるようにする、と豪語しています。

ものすごい速さですね。日本の金融が勝てるわけがありません。

それでいて、不良債権率は1%前後にとどまっているとのこと。

返済が滞ると、スマホ決済ができなくなるため、生活に支障をきたしてしまいます。したがって、返済の優先順位は高くなる、ということです。

生活に必要不可欠なものだからこその、保全方法ですね。

また、AI審査の方も、スマホ決済の履歴や公共料金の支払記録から信用力を判断できます。普段からの行動の蓄積が、そのまま審査につながります。

さらにSNSの内容や、電話の通話記録などから、反社勢力との関係も調べているとのこと。
そこまで監視されるのは気持ち悪いですが、中国では監視されるのは慣れているのでしょうかね。

そんな折り、先日友人に「もう銀行はいらない」(上念司著、ダイヤモンド社)という本を贈られました。

まさに、上記の中国の銀行とは相対する日本の銀行の現状、このままでは先がないこと、唯一今後、勝ち残るためには、というようなことが書いてあります。

銀行の9割、銀行員の99%は消える、という衝撃の内容ですが、上記の中国の状況をみれば、現実感がありますね。

銀行員という人を介することによって、どれだけ生産性が下がっているか、本来の銀行機能とは違う方向に行っているかわかります。

興味深い内容ですので、よろしかったら読んでみてください。

とういうことで、たまたま2つの情報を読んで、今の時代はまさに、世の中が劇的に変わる真っ只中にいると感じます。

これは金融の世界だけではなくて、皆様の業界でも大なり小なり起こっていることではないでしょうか?

是非、生産性を上げる、付加価値を高めるために、どのように変わっていかなければいけないのか、考えてみて欲しいと思います。

編集後記

8月お盆休み、夏休みの方も多いのではないかと思います。私は、週末は九州福岡から熊本の方に行ってきました。熊本は妻の実家で法事にあわせて、福岡には旅行も兼ねてということでしたが、日本全国どこも暑いですね!天神から中洲あたりを結構歩き回り、汗だくでうまかもんを、いろいろ食べてきました。今日はちょっと仕事をしようかと思います。

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