実践!社長の財務
毎月払うものは必ず毎月払う【実践!社長の財務】第901号
2021.02.08
昨年の新型コロナ税特法によって、創設された納税の特例猶予の申請が、この2月1日で終了しました。
延長の声もありましたが、本人がコロナに感染したなどの特別な場合を除いて、延長はされないことになりました。
緊急事態宣言の出ている地域もあり、まだまだ、コロナ禍は収束しませんが、納税猶予ばかりに頼っているわけにはいきません。
源泉税、消費税、社会保険、これらは毎月あるいは定期的に支払うものであり、資金繰りが厳しくなってくると、その負担は非常に重く感じるものです。
これらの支払いの共通点は、預かったものである、ということです。
他から預かったものであるから、本来は支払いの原資があるはずです。
ただ、資金繰りが厳しくなると、本来の資金と、預かった資金の区別はつかなくなってしまいます。
毎月毎月、発生するこれらの支払いを、一旦止めてしまうと、ここから復活するのは、並大抵のことではありません。
止めてしまうと、その時は非常に楽に感じると思いますが、再開しようとなった時には、地獄の苦しみを味わうことになります。
実際、そのような顧問先を見てきました。
これらの支払いは、事業を継続している限り、絶えることなく発生してきます。
毎月発生してくる新たな支払いに加え、過去に未払いである支払いを払っていかなければならない、倍以上の負担があるわけです。
コロナが収束したとしても、そう簡単に収益が増え、現金の余裕ができるとは限りません。
その中で、リカバリーしていくのですから、本当に大変なことだと思います。
今回は、コロナ禍で致し方なかった会社も多いかと思いますが、定期的に支払うものを止めてしまうということは、倍どころではない負担がかかってくることを、肝に銘じておくべきです。
源泉税、消費税、社会保険、これらは預かったものである、自社のお金ではない、ということを強く思って、
滞納せず、毎月歯を食いしばって必死に支払っていくことが、本当に大事と思います。
これらの支払いを貯めてしまった会社は、復活できなくなってしまった会社が多いです。
今回の特例猶予の延長をしないことは、私はある面よいことだと思います。
制度があると、払えるのに、安易に制度を利用して、払わずに、自分の首を絞めてしまうこともあるからです。
払わなかったお金は、意外と無駄遣いしていることも多いのです。
是非、毎月払うものは、確実に毎月支払っていくようにしましょう。
編集後記
どうやら緊急事態宣言は1カ月程度延長されるようで、もうその覚悟でやっていかなければなりませんね。でも、数字的には確実に減ってきていますので、この延長で終わらせたいところです。
あとはワクチンに期待!というところでしょうか。
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