実践!社長の財務
株価を計算してみよう【実践!社長の財務】第921号
2021.06.28
非上場株式の株式評価、相続税評価額の1つである類似業種比準価額のベースになる数値が、先日公表されました。
比準対象とする類似業種の上場会社の、1株当り配当や利益、純資産などの各種指標です。
コロナ禍の中、業種によっては、いつもの年とはかなり違った傾向の数字が出ているかも知れません。
先週、ある会社の評価をしたところ、株価がかなり低く評価されました。
というのも、今年に入って上場会社の株価はかなり高くなりましたが、昨年はコロナの影響により前半の株価はかなり低くなっていました。
類似業種比準価額を計算する際の、類似業種の株価は、直近の株価を使うほか、前年平均の株価を使うことができます。
今年の株価は高くなっていますが、前年平均が低いので、その低い株価を基に計算することができます。
さらに、その業種はコロナ禍においても、業績は落ち込まず、却って良い数字を出していました。
すなわち、1株当りの配当、利益、純資産の各種指標が良かったのです。
比較する類似業種の指標が高くなり、評価する会社の数値が変わらなければ、評価会社の比準値が下がってきます。
分母が高くなって、分子が変わらなければ、数値は下がるということですね。
計算の基になる類似業種の株価は、前年平均を使うので下がって、それに乗ずる比準値も上記のとおり下がったため、
低い株価×低い比準値 で結果、株価が下がったということです。
株式評価額が下がれば、株式の移動=贈与や譲渡などの価格も、低い価格で行うことができます。
コロナ禍という特殊な時期でもありますので、自社の株価がどうなっているのか、3月決算の会社などはちょうど決算も終わった頃ですので、評価をしてみてはいかがでしょうか?
編集後記
東京の新規感染者は、リバウンド気味になってきましたね。緊急事態を解除したからというよりも、その前からその原因は始まっているようです。今のやり方ではあまり効果はないということですね。オリンピックも近づいてきているのに、この数字の傾向はいやな感じです。
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