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実践!社長の財務

役員退職金を積んでおく【実践!社長の財務】第942号

役員退職金を積んでおく【実践!社長の財務】第942号

2021.11.22

皆様の会社は、役員退職慰労引当金を積んでいるでしょうか?

中小企業・小規模企業では積んでいない会社の方が多いように思います。

会社の財務内容を良くしようと努力し、自己資本比率も上がってきたとしても、役員退職慰労引当金を負債として積んでいなければ、実は、真の自己資本比率はもっと低いかも知れません。

中小企業の最大の債務は、実はこれだったりします。

損金となる逓増定期保険などを積んで、これを役員退職金原資にしようとしているのであれば、これはある意味簿外に役員退職金を積んでいることにはなります。

ただ、昨今の改正により、上記のような全損にできる保険はなくなってきましたから、今後は難しいと思います。

役員退職慰労引当金を、毎月あるいは毎期経費として繰り入れたとしても、税法上の損金にはなりません。

費用で計上しても、税務申告上は自己否認することになります。

だから計上してもしょうがない、という経営者もいますが、経費とすることよりも、これをしっかり負債として認識しておくことが重要ではないでしょうか。

その上で、しっかりと真の自己資本比率を上げていくことを目指すのです。

また、もう1つ重要なのは、その役員退職慰労金を支払う原資を作っていくことです。

そのために生命保険を活用するのがいいと思いますね。

損金にすることが目的ではなく、原資を積み立てていく、運用していくことを目的とします。

したがって、終身保険などを使って、支払った額以上の金額が戻ってくる保険にしたいですね。

もちろん生命保険ですから、途中で万が一のことがあった場合の保障も付いています。

当然、終身保険ですから損金にはならず全額資産計上になります。

負債である役員退職慰労引当金の見合いとして、資産に保険積立金がある、という状態にするのです。

こうしておけば、退職時に役員退職金を支払う際にも、事業に必要な預金を減らすことなく、保険の解約返戻金で支払うことができます。

是非、このようにして財務的にも万全な「いい会社」を目指していって欲しいですね。

編集後記

週末は先輩でもある家元の方の踊りを観に行ってきました。コロナ禍の中でなかなかできませんでしたので、久しぶりの舞台を拝見することができ、新鮮な気持ちになりました。
特に娘さんも出て、お孫さんの初舞台にもなり、親子3代こうやって継承されていくんだなあと、感慨深いものがありましたね。お孫さんの舞台は本当かわいくて、一生懸命やっているのが微笑ましかったですね。

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