実践!社長の財務
内部留保の大事さ【実践!社長の財務】第944号
2021.12.06
先週はある経営者の集まりの勉強会に行ってきました。
久しぶりのリアルの勉強会は、楽しかったですね。
何人かの人が発表していましたが、その中で飲食関係の方の発表は、とても印象に残りました。
緊急事態宣言で営業ができないとき、本当にやることがなくなった。
何をしていたかというと、社員皆でマーケティングの勉強をしていた、とのことです。
再開できるようになったら、いかにお客様に来てもらうか、いろいろ勉強し、ディスカッションし、ようやく再開できるようになった。
その間ひとりも辞めてもらうことはなかった。
アルバイトも含めて、お店には来なくても給与はある程度出していたようです。
今、世の中では営業を再開しても、なかなか人を雇えない、戻ってきてくれない、という話を聞きます。
ただ、その会社に関しては、まったくそんなことがなく、皆戻ってきてくれて、今は営業が非常に順調だというこ
とです。
なぜ、そんなことができたかと言うと、内部留保があったからです。
もちろん、国から協力金や助成金などをもらったことも大きかったといいます。
ただ、まったく収入がなくても2年半は給与を払っていける内部留保があったからやってこれた、という話でした。
会社が危機のとき、内部留保は本当に大事です。
リーマンやコロナのように、売上が半減、90%減することがあっても、内部留保があれば何年かは持ちこたえられる。
そのような内部留保を作っておくことですね。
世間ではとやかく、企業は内部留保を貯め過ぎ、みたいな話がありますが、特に中小企業にとっては、そんなことはお構いなし、でいいです。
しっかり内部留保を貯め、危機に備える、チャンスの時に投資できる余裕を持つ、それが大事だと本当に思いましたね。
編集後記
1月からの改正電子帳簿保存法、電子データで受け取った請求書や領収書は、電子保存が義務付けられ、紙で保存することは認められなくなる予定でした。
ただ、現在議論が行われている令和4年度の税制改正で、どうやらそれが2年間猶予が与えられるようですね。2年間は紙保存もOKということ。企業の準備が進んでいないための措置のようです。
確かにいろいろな方に聞いても知らないことが多く、ゆるやかな対応をせざるを得ないのでは、と思っていましたが、そのようになりそうです。政府も含め日本全体、まだまだデジタル化が遅れているのですかね。
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