実践!社長の財務
組織再編の活用【実践!社長の財務】第955号
2022.02.21
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
最近は、私ども顧問先の会社などでも組織再編の話が、とても多くなってきたと感じています。
組織再編とは、会社のグループ組織や事業を見直し、再編成することをいいます。
具体的には、合併や会社分割、株式交換、株式移転などの手法を使います。
グループで何社かあるときに、株式が分散していて、統一性がない場合など、株主構成を見直したりするときに使ったりもします。
株式を整理して、ホールディングカンパニー(持株会社)を作って、所有と経営を分離する場合などにも使います。
あるいは、事業承継をしていく際に使うこともあります。
最もシンプルなのは、後継者が複数いる場合に会社分割を使って、1つの会社を複数の会社に分け、それぞれを事業承継させるような使い方です。
さらには、事業承継税制を使いたいケースなどは、その適用要件を満たすために複数の会社を合併したり、株式交換により、親子関係にすることで適用を受けようとする場合もあります。
先日のある会社では、グループに複数の会社がありますが、それぞれの会社が似たような事業を行っている部分がありました。
グループなので、各社が協力し合って事業を進めていましたが、やはりそれでは非効率な面も多いです。
そこで、組織再編の手法を使って、同じような事業を統合することにしました。
たとえば、ABCの3社がグループにあり、次の事業を行っているとします。
A社は、イベント運営事業と物品販売業を行っている。
B社は、イベント関連のレンタル業を行っている。
C社は、物品の企画開発を行っている。
相互に関連する事業で、協力しながらやっています。
ただ、やはり会社ごとに別れていると効率が悪い面があり、組織再編を使って事業の整理をする場合、たとえば次のようにすることが考えられます。
イベント関連の事業を統合したいので、A社のイベント運営事業を、B社に吸収分割する。
物品の開発から販売まで統合したいので、上記の組織再編後のA社に、C社を吸収合併する。
その結果、A社は物品の開発販売業となり、B社はイベントの運営から物品のレンタルまで総合的に行える企業になる、という組織再編ができます。
C社は消滅することになり、2社体制となります。
このように組織再編を活用することにより、事業が入り組んでいたグループの整理をすることができます。
また、税制適格の要件を満たすことで、各会社や株主に税負担がかからないようにしていくことも重要です。
グループ事業や事業承継、株主構成で悩まれている会社は、組織再編の活用を、是非検討してみると良いと思います。
編集後記
私の回りでもコロナに感染する人が、とても増えてきたなと感じます。
症状がない、軽い人が多いので、以前のような感染したら大変、という意識が薄れてきていますね。ということは隠れ感染者は非常に多いのではないかと思います。という自分も、実は既に感染していて、いつの間にか回復していたのかも知れませんね...。
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