実践!社長の財務
粗利益の15%~20%の利益を目指す【実践!社長の財務】第960号
2022.03.28
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
これは以前から書いていることですが、経営安全率15%以上を目指そうということを、何度か書きました。
経営安全率、聞きなれない言葉かも知れませんが、付加価値に対する経常利益の割合です。
付加価値は、簡単に言えば粗利益と言ってもいいと思います。
すなわち、 経営安全率 = 経常利益/粗利益 ということになります。
経常利益率は、売上に対する経常利益の割合ですから、業種によって粗利益率が違うため、経常利益率も業種によって、結構違ってきます。
ただ、経営安全率は、粗利益に対する割合ですから、業種に関係なく比べることができます。
この経営安全率には、どのような意味があるのでしょうか?
なぜ、安全率なのかというと、この率分、売上が減っても赤字にならない率を表しているからです。
経営安全率15%ということは、15%分の安全率がある、ということを表しています。
これは、計算してみればすぐわかります。
たとえば、次ように簡単な例で計算してみます。
・売上高 200
・売上原価 100
・粗利益 100 ・・・ 売上の50%
・販管費等 85
・経常利益 15 ・・・ 粗利益の15%=経営安全率
この状態で売上が15%減ると、次のようになります。
・売上高 170 ・・・ 15%減
・売上原価 85
・粗利益 85 ・・・ 売上の50%
・販管費等 85 ・・・ 変わらず
・経常利益 0 ・・・ ちょうどゼロとなる
粗利益は売上に連動しますから、売上が15%減れば、粗利益も15%減ります。
販管費は、ほぼ固定費ですので毎月変わりません。
経常利益が粗利益の15%であれば、粗利益が15%減れば経常利益はちょうどゼロになる、ということになります。
これは、粗利益率の違う業種を超えて、一律の指標として見る場合に適しているかと思います。
売上原価がほぼなければ、経営安全率=経常利益率ということになります。
この指標、15%と私は言っていましたが、先日読んだ有名な経営コンサルタントの小宮一慶氏の本では、この数値を20%を目指せ、と書いてありました。
しかも、この数字を目指すのに、人件費を下げるのは反則である。むしろ、人件費は上げた上で付加価値の2割の利益を目指せと言っています。
まずは自社は、付加価値の何%の利益を取れているのか、是非、それを計算してみてください。
編集後記
今日の文章は若干まとまっていない感じですが、伝わりましたでしょうか?
文中に取り上げた小宮一慶氏の本は、次の本です。
「経営が必ずうまくいく考え方」著者:小宮一慶氏
出版社:PHP 初版:2022年3月7日
エッセーで読みやすいので、お勧めです。
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